艶めいて、HIGHラックス! スーパーリッチな新型トヨ...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第52回 TOYOTA HILUX / トヨタ ハイラックス

艶めいて、HIGHラックス! スーパーリッチな新型トヨタ・ハイラックスで公園通りでも行ってみる?

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

とにかく街で注目度抜群のニュー・ハイラックス! そのハンパない実力を知る映像として、ハイラックスで北極を目指したイギリスBBCの自動車番組『トップギア』の特別番組「ポーラー・スペシャル」は必見。Amazon他インターネット動画配信サイトで配信中ですよ。

やりましたね!  ハイラックス13年ぶりの復活!  これはとりもなおさず、日本においてピックアップトラックの歴史が続いていくってことにほかならない。大きさのせいで1ナンバーの毎年車検が前提らしく、商用目的で欲しかった層に向けて復活させたというのがもっともな理由なんだろうけど、それはそれ。日本のピックアップ文化の火を消しちゃいけないっていうトヨタの心意気も感じるよね。東京とハイラックスって意味でいちばん盛り上がったのは1980年代後半、渋谷の公園通りに集まっていたハイリフトの4駆集団の頃じゃないかな。アメリカンカジュアルでコアなアウトドア指向を表現するものとして、ピックアップトラックはなかなか強烈なアイテムだった。

やがてネイティブアメリカンテイストの渋カジへと流行が移るにつれ、公園通りからピックアップトラックの姿は消えていったけど、ハイリフトのピックアップは全国的に広がりを見せていた。荷台のロールバーや前方のカンガルーバーにスポットライトやら大径のフォグランプ、ウインチを付けたり、牽引用のキングピンを付けたり、カスタムで差別化されたピックアップは見る者を楽しませてくれた。当時は車体を日野自動車の羽村工場でつくっていたこともあってトラックのイメージが強かったけど、実際は座面が低くて、腕と足を伸ばしたクルージングポジションが最高なクルーザーでもあった。今回の新型も座面が低くて、片腕を出して流すあの感じが残っていたのには驚いたね。

最初の印象は「デカッ」って感じだけど、走らせると2.4ℓのディーゼルターボエンジンで150馬力、トルクは400Nmあるから普通に速い(笑)。「こんなに走れるようになったんだ」ってびっくりしたんだよね。リアのホイールハウスからは骨太のフレームとリーフサスが見えていて、ボディの艶っぽいカーブとあいまって「やっぱりカッコいいなぁ」と惚れぼれしちゃう。ただ乗用車ノリで巡航速度高めで走っていると、リーフサスのキングコングの胸板みたいに硬い衝撃が結構キツい(笑)。いまどきダンプだって大型はエアサスが当たり前なんだから、1ナンバーのトラックとして使うにしても乗り心地も追求してほしかったっていうのはあるな。

ま、リーフサスならではのバネの当たりの強さを抑えるのには、ベッド(荷台)になにかを積むのがいちばんでしょう。トノカバーを付けちゃえば仕事道具はもちろん、アウトドア用品やレジャーグッズを積み置きしておくこともできる。言うまでもなくピックアップはベッドありきだから、使い方に個性とセンスが出るからね(笑)。「カタチは好きだけどアウトドアはないな」って人でも、ハイラックスのベッドを見れば気が変わるってもんですよ。カタチから入るのはみんな一緒だし(笑)、クルマやトラックが新しい冒険を連れてきたら、こんなに素敵なことはないからね。アウトドアの秋真っ盛りだし、これから冬だし!  4駆のピックアップが欲しくなるよね。

トヨタ ハイラックス
●エンジン:2.4ℓ直列4気筒ディーゼルターボ
●出力:150PS
●トルク:400Nm
●トランスミッション:スーパーインテリジェント6速オートマチック
●車両価格:¥3,276,000(税込)~

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