僕らは音楽を聴きながら歩いてきた――。Ginza Sony Parkで...

僕らは音楽を聴きながら歩いてきた――。Ginza Sony Parkで、ウォークマン40周年の歴史を振り返ろう。

文/写真:天野透

「Walkman」「Discman」「MD Walkman」……。懐かしのウォークマンが9月1日まで、 Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)に一挙大集結。音楽とともに当時の記憶が甦ります

はるか昔、儀式と共に奏でられてきた音楽は、宮廷や劇場を経て、ラジオの普及と共に家庭へやって来ました。ところがスピーカーの前に腰掛けるリスニングスタイルも、いまや好事家の趣味の世界に。現代の音楽はイヤフォンやヘッドフォンで自由に聴くのが当たり前です。

そんな世界の新常識をちょうど40年前に創ったのは、ソニーの「Walkman(ウォークマン)」でした。FMラジオの生放送をカセットに録ってエアチェック、あるいはお気に入りのコンピレーションをMDでつくる。音楽のあり方を変えてきたウォークマンの40年を辿る企画展が、銀座ソニーパークで開催中です。

地下二階には巨大な「SONY」のロゴ。実はこれ、2017年までこの場所にあった「ソニービル」で使われていたネオンサインの実物。ちなみに2022年には新生ソニービルが竣工予定です。

カセットテープ時代以降、「ウォークマン」はポータブルオーディオの代名詞となりました。そんな偉大な歴史を切り拓いた1号機「TPS-L2」が、なんと音が聴ける完動品として展示されています!

会場にはアスレチックパークのようにオブジェクトが配置され、著名人のメッセージと共に時代ごとのウォークマンが実物展示されています。そのいずれも完動品で、もちろん試聴も可能。気になったものや思い出のモデルなど、自分の音楽性と対話するように歴史を振り返ることができます。

驚くことに、1979年に発売されたカセットウォークマン1号機「TPS-L2」も、40年の時間を感じさせない元気な音を轟かせています。残念ながらメディアの持ち込みはNGですが、スタッフに声をかければ、手持ちのイヤフォンやヘッドフォンは使用可能。高性能になった現代のイヤフォンで、かつてのカセットやMDの音を聴いてみるとどうか。いまだからこその楽しみ方です。

カセットだけではありません。CDやMDにメモリ内蔵モデル、ちょっと変わったところでDATまで。40年を彩る様々なウォークマンを自由に触り、その音が聴けるのは、もしかするとここだけかも。

座りながら、寝そべりながら、試聴はご自由に。傍らには小説家やアスリートなど40人の著名人が寄せた、展示機が販売されていた時代を回顧するストーリーが。

完動品は、1979年から各年1機ずつの計40台、その時代に販売されていた機種を展示。さらに地下4階には、1号機から現代のフラッグシップモデル「NW-WM1Z」までをズラリと並べた「Walkman Wall」が出現。まるでウォークマン史の年表の如く、変わりゆくロゴマークと共に歴代機種が所狭しと並べられ、壁一面が埋め尽くされています。その数なんと237。もしかすると、あなたの思い出のウォークマンも見つかるかもしれません。

カセットメディアのサイズとほぼ同等の、小型化の極限に挑んだ機種。8cmシングルCDサイズに収めるため、12cmCD再生時にはメディアが飛び出すという変わり種機種。40年の間に変わった部分、40年経っても変わらない部分を見つめ、音楽文化とポータブルオーディオの歴史に思いを馳せてみるのもまた一興です。

「Walkman Wall」には歴史を彩る237機種がズラリ。歴代機種を眺めつつ、いつ頃にどんなロゴが使われていたかを見るのも面白い。あなたの思い出にはどのモデルがありましたか?

CDショップで買った1枚、ウォークマンがあればお店を出てすぐ聴ける。CD時代のウォークマンは音楽愛好家の強い味方でした。8cmシングルサイズモデルは、時代を象徴するデザインかもしれません

ソニーパーク内のコンセプトショップ「「THE CONVENI」を運営している株式会社ジュンとのコラボで、限定シャツのショップも。在庫は毎週入荷しますが、同じデザインは2度と入ってこないことも。売り切れ必至です。

1 / 3p
Feature Product 写真家・ヨシダナギが薦める、クリエイター向けPCのYogaという選択肢
Feature Product 写真家・ヨシダナギが薦める、クリエイター向けPCのYogaという選択肢