SUVを4ドアスポーツカーと言い切る、ポルシェがつくった本気の走りとは。
ポルシェといえばドイツを代表するスポーツカーのメーカーです。そのイメージからすると、ボクスター、ケイマン、そして王道の「911シリーズ」がメイン車種だと思われるでしょう。ところが世界規模のマーケットでは、SUVのカイエンやマカン、そして4ドアモデルのパナメーラがメイン車種になっているのです。
9月末に裏磐梯の一般道で行われた「ポルシェ4ドアスポーツカー試乗会」は、一般メディアを対象にしたポルシェのSUVの試乗会。カイエンとマカンが計6台用意されました。ドイツ本国では新型のカイエンが発表されたばかりで、この試乗会に用意されたカイエンは現行最後期モデル。円熟の極みともいえるモデルでもあります。そしてマカンは、2014年に発売されて現役バリバリのSUV。
そんな両極の2モデルを裏磐梯で走らせてみると、改めて気づかされることがあります。両車ともに、その走りの自然さたるや、驚きのレベルなのです。初代BMW X5や初代ポルシェ・カイエンから始まった乗用車のようにスポーティな操舵性は、さらに進化しています。ハンドルを握っても、重さやダルさは感じられません。最上級クラスのカイエンの運転席に収まると、「細い道ではさすがに少し大きいかな」と思うものの、操舵性は自然で、大きな乗用車に乗っている感じです。そしてマカンに乗り換えると、さらに驚きの走りを体感できます。桧原湖畔の道は気持ちいいワインディングが続く、スポーツカーにはもってこいの道路。そこでスポーツカー顔負けの走りを見せてくれるのがマカンなのです。コーナリング中にハンドルを操作すれば、ミリ単位でノーズの位置が変わる感覚。そしてアクセルペダルをじわりと踏み込めば、即座にアンダーからオーバーにステア特性を変えるリニア感が、運転する人の心をつかみます。
ポルシェ・ジャパン社長、七五三木敏幸さんがこんなエピソードを語ってくれました。「ボクスターをお持ちのお客さんが、SUVが欲しくてマカンを買われました。けれども納車されたマカンに乗ると、思っていた以上にスポーティで走りや乗り心地がボクスターと変わらない。これじゃゆったりと走れるSUVを買った意味がないから、再びディーラーに行って、カイエンに買い直したんです」。これほどまでにスポーツ度が強く、完成度も高い最新SUVをつくるのは、世界広しといえどポルシェだけでしょう。ドイツ本国で発表され、来年には日本上陸予定の新型カイエンは、もしかすると現行モデルを凌駕するスポーティな走り&さらにラグジュアリーなSUVになってくるのかもしれません。
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