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今年のゴールデンウィークも、早くも折り返し地点となりました。長い休みを満喫中の方も多いかと思いますが、連休最終日の5月8日が「母の日」であることをお忘れではないですか。家族で過ごすのにぴったりな、締めくくりの日曜日。母や妻への贈り物を「まだ用意していなかった!」という方々、思い切って母の日のプレゼントの王道である「花」を贈ってみましょう!
フラワーショップ「DILIGENCE PARLOUR(デリジェンス・パーラー)」は、シンプルながら印象に残るブーケやアレンジメントを得意とする越智康貴さんのお店です。この3月、表参道ヒルズ内に新たな店舗をオープン。男性にも持ち歩きやすい美しいブーケをつくってくれるお店として、さらに心強い存在になりました。
越智さんが今年のマザーズデイ・ギフトとして提案したのは3種類。冒頭の「カーネーションでできたプードルの形のバスケットアレンジメント」と「カーネーションの花束とロゴ入りガラス花瓶のセット」、そしてオーダーブーケです。プードルのアレンジメントは、意外にもかわいくなりすぎずクラシカルなテイストに。一方、花束は赤1色とスタンダードなプレゼントを探している方にはぴったりでしょう。
越智さんが仕入れでこだわるのは、花1本いっぽんのみずみずしさと色あい。つくるブーケも、花のもつ強く鮮やかな色が記憶に残ります。対照的にブーケを包むラッピングは、透明なセロファンのみでシンプルに。鮮やかな花を束ねた美しいブーケを持ち帰るプロセスを、ビジュアルから楽しんでほしいという思いからなのだそう。マザーズデイ・ギフトの配送サービスはすでに締め切っていますが、店頭での受け渡しは可能。事前に依頼しておいてピックアップしたら、直接手渡しましょう。母や妻の笑顔がきっと見れるはずです。
越智さんは1輪のガーベラでも10本のバラでもブーケとして考えているそう。
「たとえば1種類だけでつくられたブーケを花瓶に飾っているうちに、蕾の開き方とか萎れ方とか変化を知ることができて、その花への”解像度”が上がるんです。贈られたブーケがきっかけとなって、花との関係性が深まっていくこと自体が豊かですよね」
ガラスの花瓶をセットにしたブーケを提案するのも、意外と花瓶を持っていない人が多いことに気づき、まずはラッピングを外してそのまま活ける状況を生むために始めたとか。またオーダーブーケの依頼を受ける時に、越智さんが“おまかせ”にはせず、相手が好きな花、好みの色、テーマなどを贈り主にヒアリングしてつくるのも、花を買う喜びをもってほしいし、受け取る相手にも花との関係性を作ってほしいという思いがあるからだと言います。花を贈ることは、花束というものを渡すだけではなく、花を介したコミュニケーションが生まれる文化的な行為。越智さんはそのように考えているのです。
店頭での仕事以外にも、雑誌のスタイリングやファッションブランドのコレクションのランウェイ装飾、そして植物画を再現するアート活動など活躍の幅を広げている越智さん。これらの活動のベースには、「花のある状況を多くの人の生活の中につくっていきたい」というモットーがあるといいます。表参道ヒルズの店舗では、プロダクトも自分自身が心地良いと感じた物を置くことを大切に、花瓶、フラワープリントの部屋着、そして花を飾る食卓にふさわしいテーブルウエアなど、花を軸とした生活を思い描けるようなエレガントなアイテムをセレクトし、紹介しています。
スタートの地であるシアタープロダクツショップ内の店は、今後鉢物を中心に展開予定。花屋らしからぬユニークな店づくりの一方、表参道ヒルズの店舗では花との関わり方、贈り方など、“ブーケの王道”をストレートにシンプルに伝えてくれているかもしれません。花を贈るのはちょっと、と気後れしている男性こそ訪れてほしいショップです。越智さんはじめ男性スタッフが気持ちよく対応してくれるでしょう。