インダストリアルなカゴで、収納をざっくり楽しむ。
写真:永井泰史 文:小川 彩

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白いキャンバス地、グレーのリム、ステンシルでプリントされたSTEELEのロゴがトレードマークの「スティール キャンバス バスケット」。キャスター付きの定番と別注品が揃います。

前回に続き、今回も収納で活躍するアイテムを紹介します。家具に収めきれない細々としたモノがあるとき、とりあえず入れておける気軽な収納小物として便利な存在がカゴです。ここでは藤や竹などの自然素材で編んだ工芸的ものではなく、生産現場の作業に使われていたような、機能性や耐久性のある「インダストリアルバスケット」に注目しました。

ハードな業務用テイストながら、親しみあるデザインのインポートものを定番として取り扱う「The Tastemakers & Co.(ザ テイストメイカーズ アンド コー。以下、テイストメイカーズ)」。そうしたアイテムのひとつに、「スティール キャンバス バスケット」があります。彼らが国内ではじめて紹介したオリジナルラインは、1920年代から米国で愛されてきた歴史あるプロダクト。このバスケットの定番「スモールトラックシリーズ」に加え、日本仕様の別注品をつくりました。

数字は容量の単位、BU(ブッシェル)を表します。ちなみに1BUは35.24リットル。テイストメイカーズではスモールトラックを1.5、2、3のサイズを展開。1.5BU (W38×D48×H45cm)¥28,080~

別注品は子どものおもちゃ箱やダストボックスとして、ルームシューズを入れておいても絵になります。ラウンドビン (W33.5×D33.5×H40cm)\19,440

スティール キャンバス バスケットは米国東海岸生まれ。石炭や繊維産業など製造現場で使われていましたが、耐久性とデザイン性が評判となり、現在ではホテルのリネン類を集めるランドリーバスケットといった業務用から家庭用の収納アイテムまで幅広いサイズを展開しています。テイストメイカーズではオリジナルラインから日本のインテリアで使いやすいサイズを選んでいます。

「キャンバスを鋼の骨組みにしっかりと縫い付けてあるので、ちょっとやそっとでは型崩れしません。無骨なのにステンシルやミシンの仕上げがひとつひとつの表情になっていて、愛着がわきます」と話すのは、ショップスタッフの壹岐文寛さん。

ラウンドビンは、「日本の家庭でより使いやすいサイズ」という要望を受け、テイストメイカーズが型から起こしてスティール社に製造してもらった別注品。スモール トラック シリーズはキャスターがついていて引き出しやすいので、ちょっと低めの棚下収納にぴったり。別注のラウンドビンはダストボックスやキッチンまわりの小物整理に活躍しそうです。

フランス製の「リサイクルタイヤ」シリーズ。MとLの2サイズ展開のバスケット型ガーデンバケツ(右奥)のほか、小物も充実。ガーデンバケツM(φ39×H29cm)¥7,344~

実はタイヤでミラーもつくっています。裏側にフックがあるので壁掛けもOK。S・M・Lの3サイズ展開。写真はLサイズ。フレームドミラー L(φ46×D6cm)¥15,120

もうひとつのインダストリアルバスケットは、今年から取扱いをスタートした「リサイクルタイヤ」シリーズのガーデンバケツです。トラックや飛行機のタイヤを再利用してつくるフランス製のストレージアイテムで、厚手のラバーを麻紐のような糸で手縫いした大きめのステッチがユニークな味わい。工業的な素材使いなのにどこか肩の力の抜けたラフなデザインは、男女問わず人気だとか。特にソープボウル、ポット、タンブラーなどの小物類は水まわりの収納や整理するのに向いていて、同シリーズのミラーとともに揃えたくなるラインナップです。

テイストメイカーズでは質の高いリサイクルやリメイクのプロダクトに共感し、積極的に紹介してきましたが、このリサイクルタイヤシリーズは壹岐さんがバイイングを担当した思い入れのあるアイテムだそう。ガーデンバケツの使い方のバリエーションを聞くと、次々と楽しいシーンを提案してくれました。

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