モンブランの新作腕時計はムーブメントもヴィンテージスタイル。1940年代製作の「キャリバー48」をリファイン!
ヴィンテージは腕時計のトレンドのひとつになっており、伝説的な傑作を復刻、あるいは現代的にアレンジしたモデルは少なくない。温かみのある独特のスタイルが、効率と合理性を追求する現代には魅力的に映るとも解釈できそうだが、外観だけでなく、ムーブメントまでオリジナルを踏襲して新たに開発したのが「モンブラン ヘリテイジ ピタゴール スモールセコンド リミテッドエディション 148」だ。
クロノグラフで知られる名門老舗マニュファクチュールのミネルバでは、1940年代に驚くほどモダンな手巻きムーブメント「キャリバー48」を製作。スモールセコンド3針の「ピタゴール」(ピタゴラス)として発表した。このムーブメントは、最も調和の取れたバランスとして昔から美術や建築などに応用されてきた黄金分割(黄金比)を導入。このためブリッジが曲線ではなく、直線的にデザインされており、幾何学的な美が追求されていた。モンブランでは、このムーブメントからインスパイアを得て新たな手巻きムーブメントを開発。同じく「ピタゴール」をリファインしたモデルに搭載したのである。いわば70年以上前に先達が歩んだ道を、現代のセンスと技術を伴って再び踏みしめたと表現できるかもしれない。
オリジナルのムーブメントに比べて外径はかなり大きいが(約8mmほど拡大)、シャープなデザインはほとんど変わっていない。黄金比を同じように利用しているため、相似形になっているわけだ。チラネジ付きテンプで毎秒5振動(毎時1万8000振動)のロービートと、懐中時計の頃からの伝統も忠実に継承。新作モデルのケース径が39mmと現代的なサイズなので、スモールセコンドの位置に対応したムーブメントのサイズアップがそもそもの設計課題だったのかもしれない。いずれにしても、パワーリザーブは約42時間から約80時間とほぼ2倍に延長。頻繁にリューズを巻く必要がなくなったのは、ムーブメントの大型化と現代の技術の恩恵といえるだろう。
18Kローズゴールドまたはホワイトゴールドのケースは、ベルトとの接続部であるラグまで滑らかな曲線で一体化。造形的な完成度も高い。ダイヤルは中心部にサンレイ装飾、時間表示リングはグレイン加工と2種類のモチーフが施されている。このベースに半透明ラッカーを何層も塗り重ねて、中心から外周に向けて濃くなる放射状のグラデーションを構成。サファイアクリスタル製のドーム型風防と合わせて、温和で優しい雰囲気の中に高級感を醸し出している。
ダイヤルカラーはブルーとブラウンの2種類。同色のスフマート・アリゲーターストラップとの組み合わせで、歴史的なピタゴール・ムーブメントに敬意を表して各148本の世界限定。内部のムーブメントもオリジナルに忠実なので、時計ファンは語ることが多いのではないだろうか。腕もとを引き締めるクラシカルで重厚なスタイルに、自信と誇りを感じられる逸品だ。
問い合わせ先/モンブラン コンタクトセンター TEL:0800-333-0102