Bowers & Wilkinsが満を持して発表した、ワイヤレス・インイヤー・ヘッドフォンの音質はこんなにも心地いい
Bowers & Wilkinsは、アビーロード・スタジオのモニタースピーカーとして採用されている「800 シリーズ ダイヤモンド」や、先進的な設計思想とそれを具現化する斬新なスタイルの「ノーチラス」など数々の名機を世に送り出してきた英国のオーディオブランドだ。そんな名門がこのたび発売した、ハイクオリティなサウンドを外出中にも楽しめる完全ワイヤレス・インイヤー・ヘッドフォンの使用感について、ここでレポートしたい。
フラッグシップモデル「PI7」を起動すべく、手元のモバイル機器とペアリングする。ストレスなく接続は完了し、聴き慣れた音源で試聴してみて驚いた。PI7は耳の中にすっぽり収まってしまうほどコンパクトだが、音の粒立ちがきわめて明快で、ダイナミクスも申し分ない。高音は長時間のエイジングが完了したかのような艶やかさが最初から響き、低音も深みがありクリア。この音響設計を担当した技術者はただ者ではないと感じた。
なかでもPI7の音質チューニングは、スタジオモニターとしても使われている800 シリーズ ダイヤモンドを手がけたチームが担当しているという。すなわち、音響機器だけでなく音楽そのものに精通したプロフェッショナルによる仕事なのだ。その構造はBowers & Wilkins製の最上位スピーカーにきわめて近いもの。9.2mmドライバーに加え高域再生用のトゥイーターが搭載されており、それぞれが専用のアンプで駆動されるバイアンプ方式を採用している。
個人的に、ワイヤレスは音質に劣るというバイアスから、ヘッドホンはケーブル式で直径の大きいドライバーを搭載したオーバーヘッドタイプを使用してきた。だがこの1年、マスクと併用するのが煩わしくて外出時に音楽を楽しむ習慣から遠ざかっていた。PI7はそんな問題を解決してくれる。優れた音質とケーブルのない身軽さが両立していることに加え、環境に応じた最適なノイズキャンセリング機能など、心地よく音楽を楽しむためのハイテクノロジーがさりげなく搭載されているのも現代の英国ブランドらしい。そして、身体に装着する物品としての質感の高さも特筆すべきポイントだ。
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