バーバー・オズガビー
エドワード・バーバーとジェイ・オズガビーのデザインユニット、バーバー・オズガビーが2011年にヴィトラから発表した「ティプ トン」は、二通りの姿勢をサポートする、これまでになかったタイプの椅子です。体重を前にかけて前傾姿勢で座ると、背筋が伸びて血液の循環がよくなり集中力も高まるというから、テレワークにもぴったりです。
体重移動で座面が前方に傾く「ティプ トン」。これまでにはない新しい座り方を提案し、デザインと機能の両面で椅子の新境地を切り拓きました。椅子の長い歴史において、その登場は21世紀の革命といえるでしょう。
そもそもの始まりは、デザイナーのエドワード・バーバーとジェイ・オズガビーがイギリスのティプトンという街に新設される学校から家具の選定を頼まれたことにあります。ふたりがリサーチを重ねたところ、教育方法はグループワークなどでアクティブに変わっているのに、スクールチェアは戦後から変わらず、適正な価格でふさわしいものがない。そんな結論に至った彼らは自らデザインを提案することに決めました。
彼らはオフィスチェアの研究をしていたヴィトラにコンタクトをとり、前傾姿勢で座ることが身体の負担を軽減し、血液の循環を促すことによって集中力が高まることを知ります。そこから2年以上の試行錯誤を重ね、現在の「ティプ トン」にたどり着きました。既存のエルゴノミックなオフィスチェアと違い、部品を一切使用しない、一体成型のポリプロピレン製。耐久性も高く、軽量で、100%リサイクル可能です。1脚あたりの椅子をつくるのに、かかる時間はわずか6分。大量生産可能でリーズナブル、スタッキングもできてインドアでもアウトドアでも使える椅子になりました。前傾姿勢を含むさまざまな座り方を可能にする椅子は現在、スクールチェアを超えて多くの場所で採用されています。
●問い合わせ先/ヴィトラ TEL:0120-924-725 www.vitra.com