世界を驚かせた液体表示のハイブリッド機械式時計、「HYT」がシンプル&モダンに。
時計マニアも驚嘆した液体表示の機械式時計、HYTから、シンプル&モダンに進化した新作「H0(エイチゼロ)」が登場しました。液体が時間の経過を表示する仕組みは同じですが、これまで露出していたムーブメントを隠すことで、独創的な機構を強調したスタイリッシュなモデルになっています。
ガラス製チューブ(キャピラリー)をダイヤル外周に配置。その中のライトグリーンの液体が時間の経過を表示しますが、右下の午後6時(18時)になると、瞬時に左側の6時位置に戻る12時間単位のレトログラード式。正確にはライトグリーンの液体と、これに決して混ざらない透明の液体との境界面が時間を示していくのですが、その動きをコントロールするのがダイヤル下部の2つの「ふいご(ポンプ)」です。特殊なカタツムリ形のカムがこれを押すことで、一方が圧縮、一方が減圧されて液体が動きます。やがてカムの高さが頂点に達した後に元に戻ると、圧縮が解除されて液体も元の位置に戻るという仕組みです。
HYTとは、ハイドロ・メカニカル・オロロジストの意味であり、液体表示を機械式ムーブメントが駆動する世界初のハイブリッドモデル「H1」を2012年に発表。「H2」「H3」「H4」「スカル」とバリエーションを増加してきましたが、「スカル」以外はいずれもスケルトンのスタイルで機械式のメカニズムをダイヤルから見せていました。こうしたラインアップを踏まえながらも、今回は液体表示というHYTの基本に立ち返ることをコンセプトとして、モデル名も「H0」となったのです。
12時位置は60分計で、その左側はスモールセコンド。どらちの針も外周の液体と同色のライトグリーンで、マイクロブラスト/サテン仕上げのブラックダイヤルとコントラスト。視認性を高めているだけでなく、外周の液体との組み合わせで、個性的なアクセントになっています。2時~3時位置の切れ込みはパワーリザーブ・インジケーター。こちらは液体ではなくディスク表示ですが、同じライトグリーンで統一されています。
無駄な装飾性を省いたシャープなデザインに、ミドルケースと一体化したラグから伸びるラバーストラップ。モダンなイメージにもかかわらず、ふたつの「ふいご」が機械式のメカを強く印象づけるスチームパンクなモデルといえるでしょう。
これまでよりも価格を抑えているほか、HYT東京サロンが誕生したこともニュースです。この新作はもちろんのこと、歴代のモデルが揃っているので、ぜひ実物を手に取ってハイドロ・メカニカルのユニークな魅力を確認してください。
問い合わせ先/オールージュ TEL:03-6452-8802