デザイナー永島譲二が語る、「いかにBMWらしくするか」への挑戦。
BMW初の前輪駆動方式であることや、コンパクトなボディながら高い居住性を誇る「SAT(スポーツ・アクティビティ・ツアラー)」という新コンセプトが特徴に挙げられる「ニューBMW 2シリーズ アクティブ ツアラー」。ヨーロッパを中心に各社がしのぎを削るコンパクトMPVカテゴリーに参入するこのクルマのデザイン特徴を、BMWドイツ本社、エクステリア・クリエイティブ・ディレクター、永島譲二さんに伺いました。
Q:このクルマのデザインの特徴は何ですか?
「すべてに渡ってBMWらしさを具現化することです。たとえば、フロントのキドニーグリル(腎臓のような形の特徴的なラジエターグリル)を前に押し出すように配置。こうすることでBMWらしさが強調され、ほかのMPVとは違うプレミアムなドイツ車らしさを演出しています。ヘッドライトの幅や厚さなどの形状も、車高の高いこのクルマのバランスにあわせて絶妙な大きさでデザインされています」
Q:もっともデザイン的に難しかったところはどこですか?
「BMWとしては非常に挑戦的なデザインになっています。使いやすさや居住性が優先され、とかく甘くなりがちなコンパクトMPVをいかにBMWらしくデザインするか。そこが一番難しく、やりがいのある仕事でした。使いやすさや居住性はそのままに、プレミアムな質感やエレガントさ、そしてスポーティさを表現する。このクルマは、BMWデザインの新しい1ページになるはずです」
Q:BMWらしいデザインとはどういうところでしょうか?
「BMWはラッキーなことに1960年以降、デザインの文法を大きく変えずにクルマをデザインすることができました。02シリーズからはじまった3シリーズ、5シリーズ、7シリーズとクルマのバリエーションは増えるのですが、どのモデルのデザインもエレガントでプレミアム、そしてスポーティーな要素を同じような比率で兼ね備えているのです。それは現在も変わりません。こうしたこれまでの伝統を守りながら、かつてない新しいこのクルマが生まれたのです」
Q:BMWらしさというのは、何か決まっているんですか?
「とくに定義はありません。世界中のどこにもっていってもドイツプロダクトらしいプレミアム感があることが大前提になっています。あるとすれば『プレシジョン(正確さ)&ポエトリー(情感)』という二つの要素をデザインのなかに必ず入れること。その割合が、BMWのデザイナーの間では自然とあうんの呼吸のようになっていてBMWらしさを生み出しています。個性的で曲線美ばかりを追い求めるような自動車デザイナーは、BMWに向いていないかもしれません(笑)」
BMW2シリーズ アクティブ ツアラーは、BMWらしさを追求したコンパクトMPV。ひと目見ただけでわかるBMWのプレミアム感、そして日本の道路事情に合わせた大きさを考えると、人気のモデルになるのは間違いないでしょう。
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