EVは特別なクルマ? 最新の日本車に乗るとその考えが変わるかも

EVは特別なクルマ? 最新の日本車に乗るとその考えが変わるかも

文:小川フミオ

レクサスUX300e(580万円〜)は、全長4495ミリのボディをもつ前輪駆動のピュアEVで、満充電での航続距離は367km(現実的なWLTC測定値)という。

世界では自動車の電動化がスピードアップしている。電動車というと、すこし前は、まさに未来的なルックスで、デザインで冒険しているクルマ、という印象があった。それが大きく変わってきているのが、とてもおもしろい。見た目はふつう。乗ってもふつう。これが昨今のトレンドで、とりわけ日本のメーカーは、誰でも違和感なく操縦できるナチュラルなドライブ感覚を重視しているのだ。それでいて、アクセルペダルを踏みこんだときの加速感だったり、質感の静けさだったり、EVならではの特長があって、なかなかヨイ。

UX300eの室内空間はダッシュボードやシートを含めてエンジン車とほぼ同一の仕上げで、ひとことでいって、居心地がよい。

たとえば、トヨタ自動車。「電動車のフルラインアップ化の一環として2025年までにEV15車種を導入する計画を推進中」とする。2021年に中国・上海で開催された自動車ショーではEVの新シリーズとして「TOYOTA bZ」を発表するなど、鼻息が荒い。レクサスもこの電動化戦略の重要なパートナーで、2020年10月22日に発売された「レクサスUX300e」というピュア電動SUVを体験すると、誰でも乗れるEVとして出来のよいことが印象ぶかい。

アクセルペダルを踏んだときのクルマの出足のよさ、ステアリングホイールを操作したときのクルマの動き、それに快適な乗り心地と、静かな室内。仕上がりがよい。欧州には、アクセルペダルを踏む力をゆるめると、グッと強めの制動がかかる”回生ブレーキ”を積極的に使う、専門用語でいうところの”ワンペダル操作”を重視するメーカーもあるいっぽう、レクサスは、減速や停止はあくまでも従来のエンジン車(ICEと呼ぶ)と同様に、というポリシーを貫いている。クルマが電動化すると個性がなくなると言われてきたものの、こういうところにメーカーの考えの違いがちゃんと出るのだ。

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