100%電気グルーヴ! BMW i3で決めたいキミの...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第28回 BMW i3

100%電気グルーヴ! BMW i3で決めたいキミの都市的“リベラル”マインド

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

EVはインテリア空間の上部ユニットと、駆動システムを構成する下部ユニットに分けられるのが特徴的。i3も上部ユニットだけ変えられるようになったら最高だよね。車台を長く使えるし、外側だけまるっと変える「リフォーム」が当たり前になるよ、きっと。

2020年までに100万台の電気自動車普及を目指すドイツ。でも実際はなかなか普及してなくて、事情は日本も同じなんだよね。現状の電気自動車って頑張っても150キロぐらいしか走れなくて、充電できるインフラは心もとないし、一回あたりの充電時間は急速充電しても1時間弱! そりゃもう、いろんな意味でEVはまだまだ厳しいのが本音というところ。だから普及しないのは分かるんだけど、都内に限って言えばi3は結構見る! これって個人的にはすごいことだと思ってて、さらに2016年モデルは電池容量増して、航続距離も大幅に延びたというじゃないですか。「ひょっとしたらターニングポイント来たかも!」と、さっそく数日乗ってみることにしたわけ。

まず実際に乗ってみると、都内は区役所やタイムズの急速充電設備がそこかしこにあって、打合せやランチの間、軽くメール返信してるだけでだいたい充電できる。あと区役所みたいな公的機関だと充電はタダってところが多いのもポイント高い(笑)。よって駐車場近くにメインの充電所さえ確保できれば、毎日の使い勝手はどうにか出来そうなんだな。もちろん一軒家で充電設備を整えられれば最高だけれど、自前の充電設備なくても「どうにかなる」って大きいよね。「どうにかなるってぐらいじゃクルマは買えないよ」ってぼやくそこのキミ!  i3にはその価値があると断言しよう。まず6割はインテリアの良さ。スイッチ類とかBMWと共有している点も多いけど、全体のデザインがいちど異空間に投げ込まれたみたいに解体されて構成し直されてるんだよね。BMWのデザイン的にもトフラーの『第3の波』きてる感じ(笑)。まずこの空間を買いたい。

そして残り4割は電気自動車独特の走り味。よく言われるように超低重心だから視座の高いスポーツカーに乗ってるみたいだし、慣れるとほとんどブレーキを踏まずにアクセルワークだけで移動できちゃう。理由は強力な回生ブレーキで、アクセル戻すと大型トラックのリターダ以上に、ガツンと効くんだ。だからブレーキが補助ブレーキみたいになってて、ペダル一枚で運転してる感覚なんだよね。これがめちゃくちゃ都市っぽい(笑)。先鋭的でリベラル。移動する無音空間(アート)にてテクノでビリビリきつつ、メルケル首相もニッコリみたいな! あはははは。とにかく、自分のライフスタイルを車に合わせる気があれば、楽しいi3ライフは可能。ちなみに航続距離は乗り手の運転の仕方次第で変わるんだけど、自分が乗った時はフル充電で航続可能距離は160キロと表示されてた。だから大幅に航続距離が伸びたといっても、実働は200キロがいいとこじゃないかな。よって遠出にはアイデアが必要だけど、まずは100%電気な「アシとライフスタイル」の柱にご一考あれ。

BMWi3
●エンジン形式:バッテリー:リチウムイオン
●最高出力:170PS
●最大トルク:250Nm
●トランスミッション:1速固定
●車両価格:¥4,990,000

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