最先端の技術を搭載した、革新的アナログウォッチ
岩崎 寛(STASH)・写真photographs by Hiroshi Iwasaki
並木浩一・文
text by Koichi Namiki
酷暑の夏ほど、メタル・ブレスレットの腕時計がありがたい。TPO上はストラップが望ましそうな時でも、汗と革の織りなす不快感と、その後の革のダメージも避けたいだろう。開襟シャツとクールビズを着こなすように、日本においては普段使いできる、上質のブレスレット・ウォッチは絶対に必要である。その意味でステンレス・スチール製ケースの「トゥルーム・シーコレクション」は、格好の選択肢になる。
昨年7月にデビューした「トゥルーム」は、ジャパンメイドの新しい高級腕時計に名乗りを上げた。国産の準天頂衛星「みちびき(初号機)」にも対応したGPS受信システムと、高感度の気圧・高度センサーを、ライトチャージで得るエネルギーで駆動する最先端のシステム。それでいてアナログ表示に徹底してこだわるところが好感をもって迎えられた。それは先進のギアながら腕時計らしさも積極的に肯定する、高級腕時計のニュータイプなのである。
シリーズ名の“C”はシティの頭文字だ。「トゥルーム・シーコレクション」はファーストモデルのクラス感を、都会で毎日使うかたちに組み上げた。SS製の腕時計はほとんどの人が扱い慣れている。その腕時計らしさを日々の着回しに合わせ、着けこなせるだろう。風防にサファイア、ベゼルにセラミックを纏っているので傷に強く、シャープな質感は遠目にも見栄えがする。
世界中のどこでも、ボタンを約5秒押せば、タイムゾーンと時刻を特定する。永久カレンダーは調整不要で、光がある限り止まる心配もない。高層階エレベーターにも高速回転で追随する、針3本の気圧高度計のアクションは、ビーナスラインの1000mの標高差を駆け上がる爽快感にも似ている。日本と世界、オンとオフを架ける腕時計は、毎日欠かさず選ばれる資格を、どこまでも備えている。
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