気分はシャアとララァのロードスター⁉新型Z 4の超進化...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第87回 BMW Z4 M40i / BMW Z4 M40i

気分はシャアとララァのロードスター⁉新型Z 4の超進化は、まるで令和のニュータイプ

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

大型化したフロントグリルと迫力あるエアロパーツが、新世代のカーデザインを予感させる。

17年ぶりに復活するトヨタ スープラとのコラボで注目のBMWのZ4。プラットフォームやエンジンをシェアすることで、それぞれがより高いレベルの新型車を世に出せるんだから、ドライバーにとっては「ありがたや、ありがたや」と奇跡のコラボに感謝でしょう(笑)。新型Z4に乗れば、その相乗効果の大きさがよくわかるんだな。
現在、新型車ラッシュのBMWにあって、新型Z4はクルマづくりのレベルが次の時代に入ってきたことをはっきりと実感させてくれる。それも正直、あまりのBMWらしさに「逆に、スープラらしさは出るのだろうか?」と感じてしまったほどなんだ。両社の協業開発にあたっては、水平対向4気筒を搭載したポルシェの718シリーズをベンチマークにしていたらしいけど、3Lの直列6気筒を搭載するM40iに関して言えば、むしろ水平対向6気筒の911シリーズに近い。4気筒と6気筒の世界観の違いを、図らずも新型Z4は明らかにしているんだ。
両者を比較するとサイズ感はほぼ一緒で、200kg近くZ4のほうが重いのね。軽量化を追求したピュアスポーツ性という意味で718シリーズがより純粋なのは間違いないんだけど、BMWはオープンスポーツというジャンルで、世界観の差異をまざまざと見せつけてくれるんだ。ワイルドな4気筒ガイと洗練された6気筒紳士って感じで、そもそも生きる世界が違うわけ。テレビアニメ『機動戦士ガンダム』のライバル、アムロ・レイとシャア・アズナブルみたいにね(笑)。

奇跡のコラボが叶えた、次世代のロードスター

その直列6気筒エンジンを「オープンで解放するためのエンターテインメントに仕立てている」のが、新型Z4の魅力のコアなんだ。アクセルを踏み込むと、吸気音を生々しく響かせて回転するターボのタービン音と、直列6気筒の整流された排気音が美しくシンクロし、メカニカルで官能的な音の圧力がドライバーを包み込む。これって間違いなくBMW最新型のベストチューンで、タービン音がトレンドのトラックだとしたら、排気音はクールな官能性とでも言うべき魂のボーカルに他ならない。これは絶対にオープンでしか聴けないサウンドなんだな。

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