絶妙な色づかいは青文字盤で味わうか、グレーで味わうか。
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川 淳

絶妙な色づかいは青文字盤で味わうか、グレーで味わうか。

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ORIS
オリス

最近、オリスの腕時計が急速に人気を高めている理由のひとつは、間違いなくその色づかいだ。文字盤のカラーがユニークなモデルが揃い、明らかに他ブランドと違う。ブルーでもグリーンでも、なんとも言えない大人のニュアンスを示し、しかも代わりがないから、必然的に選ばれることにつながる。腕時計ブランドのヒットの仕方としては珍しい。
典型的な例が「ビッグクラウンポインターデイト」に登場した新作である。“ブルー”に違いないのだが、他でこのニュアンスの青文字盤にお目にかかることはないだろう。より緻密に表現するとしたら「灰青色」に近いだろうか。若輩には似合わない難しい色を、あえて腕時計に取り込んだ。つい最近も、同じビッグクラウンポインターデイトで、ブロンズケースにオリーブ色を思わせるグリーン文字盤を合わせたモデルが注目を集めた。ステンレス・スチールにこのブルーの文字盤は、さらに人気となりそうだ。レザーストラップ仕様に加えブレスレットモデルもあり、文字盤カラーに惚れた人間の希望を幅広く受け入れる。
このカラーの発想は、建築家ル・コルビュジエの伝説的な「ポリクロミー・アルシテクチュアル(建築の多色理論)」から採られたのだという。ル・コルビュジエは建築のかたちだけでなく、代表作「ユニテ・ダビタシオン」に見られるようなカラフルさも高い評価を受けている。前出の「ポリクロミー」は全63色の色彩パターン集に編まれたのだから、オリスの引き出しはまだ終わらない。「アクイスデイトレリーフ」も、色の魅力で拮抗するモデル。ダイバーズなのに、大人がつけて気恥ずかしくない、実に落ち着いたグレー文字盤のモデルがある。放射状のサンレイ仕上げを強めに入れたことで、その色がさらに華やいだ。タフな性能は折り紙つきだから、色で選んで間違いないのである。

  • アクイス デイト レリーフ

    ●自動巻き、ステンレス・スチール、ケース径43.50mm、38時間パワーリザーブ、グレーダイヤル、ドーム型サファイア風防(内面反射防止コーティング)、シースルーバック、ラバーストラップ(ステンレス・スチールブレスレット仕様あり)、300m防水。¥252,720(税込)

  • ビッグクラウン ポインターデイト

    ●自動巻き、ステンレス・スチール、ケース径40mm、38時間パワーリザーブ、ポインターデイト、バブルカーブサファイア風防、シースルーバック、レザーストラップ(ステンレス・スチールブレスレット仕様あり)、50m防水。¥189,000(税込)

●オリスジャパン TEL:03-6260-6876

絶妙な色づかいは青文字盤で味わうか、グレーで味わうか。