誰も追いつけないBMW秘伝の隠し味!? 新型X4、その...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第80回 BMW X4 M40i/ BMW X4 M40i

誰も追いつけないBMW秘伝の隠し味!? 新型X4、そのクールすぎる宣戦布告とは。

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

SUVとクーペを融合し、オフローダーとしての魅力も備えたスタイリング。

SUVとクーペの融合というと先鞭をつけたのはBMWのX6で、かれこれ10年前ぐらいになる。当時、普段はロケバスを使う撮影スタッフが「自分のクルマで行っていいですか?」と言うので、「(メルセデス・ベンツの)Eクラスのワゴンでも買ったのかな」と思ってたら、現場に新車のX6が乗りつけられた。SUVといえば塊感のあるクロスオーバーSUVが人気だったから、その時すごく潮目が変わった気がしたのを覚えている。

よりスポーツ性を増した、新型SUVクーペが登場。

そんなX6が成功するとSUVとクーペの融合という流れにライバルも参入し、BMWもバリエーションを出すためにひとまわり小さいX4を投入した。それが2014年で、たった4年でX4はモデルチェンジを行ったんだ。理由はジャガーやアルファ ロメオのような高級スポーツカーメーカーがこの市場に参入してきたり、ポルシェのマカンが絶好調だったりと、スポーツ性能の高いSUV市場が活況を呈しているってことにある。つまり新型X4には、そんな世界市場に対するBMWの答えが隠されているわけ。その解答こそ「そこにシビれる、憧れる」ですよ。BMWはX4においてその魂とも言える、直列6気筒エンジンの魅力を最大限まで引き出してきたんだ。

スタートボタンを押すと、あたりに響き渡る低く乾いた排気音。さっそくモードをスポーツプラスにして、アクセルを踏んでみる。するとBMWらしい太いハンドルで高い視座から車両全体を把握する感覚が、「バハ1000」なんかのデザートレースに出場する幅広のトロフィートラックを操ってるような錯覚を呼び起こす。懐の深い足まわりや、アクセルに即応し自在に引き出せるトルクがあり、4駆のSUVらしいコクのある乗り味がとにかく秀逸。それでいて直列6気筒の排気音はもちろん、高回転型の出力特性やアフターファイア音だったり、逆にアクセルオフするとスッと静音されるシンコペーションのような抑制もあって、感性に訴えかけるポイントがどれも上質なんだ。コンフォートモードのような普段使いでも直列6気筒の魅力、そして乗り味も十二分に堪能できる。「あぁ、いいクルマに乗ってる」っていう基本的なポテンシャルの高さに加えて、BMW感が圧倒的なんだな。

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