大分の土地に適した品種探しに徹底的にこだわり、おいしさ...

日本ワインで乾杯!We Love Japanese Wine!

#27|
鹿取みゆき・選&文
尾鷲陽介・写真
selection & text by Miyuki Katori
main photograph by Yosuke Owashi

安心院ワイン小公子

かつての日本のワイナリーでは、原料となるブドウの栽培は農家さん任せという傾向が強くありました。農業協同組合経由で購入した、どこの誰が育てたのかわからないブドウでワインをつくるということが一般的でした。

一方、最近のワイナリーは続々と自分たちで管理する畑の面積を拡大しています。大分県の「安心院葡萄酒工房」も、この5~6年で畑を5ヘクタール広げました。それだけではなく、ここでは栽培する品種についても自社で盛んに試験を続けています。これほどまでに品種の選定に力を入れているワイナリーはそんなに多くはありません。

小公子というブドウも、試験栽培の末に本格的な栽培に踏み切った品種です。もとはと言えばこのブドウ、農家からワインにしてみてほしいと持ち込まれたものだとか。「糖度がとても高く、色合いも黒々としたヤマブドウだなと驚きましたね」と、当時から栽培醸造責任者を務めている古屋浩二さんは振り返ります(農家側はこの小公子をヤマブドウだと言って持ち込んだようです)。試験栽培をしてみたところ、結果は良好。2011年に畑を拡大する際、植え付けることを決めました。そして3年後、自社農園で初の収穫が行われました。「品種を厳選してきちんと栽培すれば、格段に品質が上がるのを実感しました」と古屋さんは語ります。

一口飲んで、かなり驚きました。ヤマブドウ系統なので、少し野趣があったり青さが気になったりするのかなと思いきや、そんなことはない。渋みは穏やかで、ジューシーな印象です。土地に適した品種を選ぶこと、そしてそれをていねいに栽培することの大切さを、改めて強く感じさせてくれるワインです。

大分の土地に適した品種探しに徹底的にこだわり、おいしさを追求。
古屋さんは、小公子だけでなく15種類近くの品種の試験栽培をしています。安心院産のブドウのみでワインづくりを続けようとするからこそ、土地に適した品種探しは重要な仕事になるのです。これからの安心院のワインがますます楽しみです。

安心院ワイン小公子

ワイナリー名/安心院葡萄酒工房
品種と産地/小公子(大分県宇佐市安心院)
容量/720ml
価格/¥3,927
問い合わせ先/安心院葡萄酒工房
TEL:0978-34-2210
http://www.ajimu-winery.co.jp

プレゼント

連載「日本ワインで乾杯!」では毎回、ご紹介するワインを1名の方にプレゼントします。 第27回「安心院ワイン小公子」のご応募の締め切りは、2017年1月26日(木)まで。ふるってご応募ください。  ※当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。未成年者のご応募はできません。ご応募は日本在住の方に限ります。なお、伊豆諸島(大島・八丈島を除く)および小笠原村(小笠原諸島)への配送はできません。ご応募にあたっては、弊社メールマガジンへのご登録が必要です。

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