寒さが厳しい冬の期間が長いことなどから、開放的なオープンエアーの席を設けた店が少なかった北京。そんな慣習を打ち破る巨大なテラスを備えたレストラン&バーが出現した。周辺に大使館が集まる一等地「三里屯」（サンリトン）地区にできた「ウニコ」だ。若い富裕層が集まる場として早くも連日賑わいを見せている。新たに開業したビルの5階から7階までをまるまる占有し、5階はオープンキッチンのシーフードレストランで、6階と7階は本格的なカクテルを楽しめるバーという構成。この7階が広々としたルーフトップテラスを備え、席からは北京の街が一望できると評判だ。テラスは春から秋までの限定オープン。ぜひこの夏はここで乾杯したい！

かつてアメリカ軍の司令部だった建物が、ビデオアート専門のプライベート・ギャラリー「フルエントゥム」に。豪奢な建築をそのままに活かした贅沢な空間が、大きな話題を呼んでいる。
もとはナチスの空軍司令部として1936年に建てられた建物だったが、敗戦を受け、戦後は米軍の管轄下に置かれていた。ケネディからレーガンまで、歴代大統領を迎えてきた由緒ある建物でもある。94年に民間に引き渡されて以降は、映画のロケ地にもたびたび使われてきたが、2010年に現在のオーナーが入手。今春、ようやく一般に門戸が開いた。大理石に包まれた静謐な空間は大迫力の映像作品を際立たせる。歴史を感じながら、じっくり鑑賞しよう。

ホイットニー美術館が2年に一度開催する、現代アートの最前線がわかる「ホイットニー・ビエンナーレ」が開幕した。
今回選出された75組のアーティストの多くは、美術館に初めて作品を出展。そのうちの約75%が40歳以下で、出展作品のほとんどは過去1～2年以内の新作だ。今年度のテーマは、現代社会の抱える問題への取り組みや、未来への問いかけのダイアローグ。会場でひと際目を引いたのが、幅182cmのカンヴァスに描かれたキーガン・モナハンの作品だ。内線通知を知らせる警告的なランプが印象的。今回出展した作家がのちに個展を開くという例もある。新たな才能の発掘の場であるこの展覧会を、見逃すべからず。

スペインの老舗、レドンド・イグレシアスの一家がつくる、最高級生ハムを味わえる店がオープンした。
100年の歴史をもつこのブランドのイチオシは、スペインのガリシア地方北西部でドングリを食べて育った豚のハム。この地方のハムは甘みがあるのが特徴で、口の中に入れるとすぐに溶け、喉の奥に旨味が残る。この店では12～48カ月の熟成期間から好みのものを選ぶことができ、食べ比べるのも楽しい。ハム以外にも肉の特徴を活かした料理が並び、食材を現地価格で購入できるのも人気の秘密だ。イタリアでもプロシュートをはじめとした生ハムは有名だがこれは別格。イタリア人も思わず唸る生ハム、一度お試しあれ。

1000年以上の歴史を誇る英王立造幣局は、流通硬貨に加え時節に合った記念硬貨を発行している。昨年死去したスティーブン・ホーキング博士の記念硬貨は、3月14日の命日に合わせてその2日前に発売を開始し、即「入荷待ち」になったほどの人気ぶりだ。
博士は英国人にとっていまなお特別な存在だが、メディアがこぞって称賛した秀逸なデザインもヒットの理由。細い線を何重にも刻むことで表現したブラックホールは、まるで凹凸があるような3D効果を生んでいる。硬貨の価値は50ペンスだが、販売価格は10ポンドと、20倍の値段設定で造幣局もなかなか商魂たくましい。しかしこの魅力的なデザインは欲しくなる。まずウェブにアクセスを。