牽引移動で自由に引越し⁈ たった40㎡ほどのタイニーハウスが話題に

牽引移動で自由に引越し⁈ たった40㎡ほどのタイニーハウスが話題に

文:稲石千奈美

家は小型でも、すぐ外の自然と暮らせるライフスタイルを実現できるタイニーハウスの需要は高い。牽引しての引っ越しは数100ドル程度で済む場合もあり、安く気軽な点も人気の理由のひとつだ。photo: Getty Images

ミレニアル世代には、郊外に希望条件を満たす一軒家を購入するメインストリームとは異なるライフスタイルと住居を選択する人たちもいる。彼らが選ぶタイニーハウスは40㎡程度の広さの一戸建て住居。面積を最大利用するためにロフトがあるのが定番だ。定義によっては90㎡まで“小さい”とする見方もあり、2020年のタイニーハウス価格は4万5,000ドル(約477万円)から18万ドル(約1,908万円)と幅がある。全米建設協会の調査によれば63%のミレニアル世代がタイニーハウスに興味があると述べ、その理由はいくつかある。物価が高い都市生活では住宅購入に必要な準備資金が不足する点、地球環境の保護、断捨離への憧れ、住居ではなく趣味やコミュニティ活動に投資したいなど理由はさまざま。また、トレーラーで牽引移動できるタイプのタイニーハウスなら、家を引っ張りながら気の向くまま引っ越しができる気楽さも人気だ。

コロナ禍でタイニーハウスは、収入減に対応する生活費縮小、屋外での新鮮な空気や自然との接触、拠点住居の離れとして利用することで同居者とソーシャルディスタンスが取れるなど利点も多い。住宅事情の悪化する都心では、個人宅の庭の一画にタイニーハウスを建てて一定期間ホームレスに貸し出す条件で助成金を支給する自治体もある。不便な面もあるが、リゾートやバケーションレンタルも多いので、このムーブメントに関心がある人は、まず短期間のタイニーハウス暮らしを体験してみては?

ロフトをベッドにして居住面積を最大利用。タイニーハウス生活では常に整理整頓を心がけ、所持品がたまらないように注意。同居人がいる場合は、お互い物理的、精神的にスペースの尊重を。photo: Getty Images

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