家具職人絶賛の本『名作椅子の解体新書』が面白い!著者が明かす、名作の秘密。

家具職人絶賛の本『名作椅子の解体新書』が面白い!著者が明かす、名作の秘密。

文:高橋美礼

誠文堂新光社より発売された『名作椅子の解体新書 』¥3,520(税込)

世界には「名作」と呼ばれる椅子がある。しかし、何をもって名作とされるのだろうか。著名なデザイナーが手がけたから? 革新的な技術力で製造されているから? ロングセラーだから? 椅子研究家として知られる西川栄明と木工デザイナーの坂本茂は、共著『名作椅子の解体新書』でその疑問に大胆な方法で迫っている。実際に分解し、生地を剥して張り替え、組み直す工程によって、名作椅子の真髄を露わにしていく試みである。

取り上げた椅子は18脚。名作椅子の中でも特に有名な、ジオ・ポンティの「スーパーレッジェーラ」や、ハンス・J・ウェグナーの「ザ・チェア」、アルネ・ヤコブセンの「セブンチェア」など、現在も製造販売されている木製チェアが中心だ。ただし、新品ではなく修理を依頼された椅子を対象にしているので、故意に切断したり部品を分解するような場面はない。細部まで撮影された豊富な写真の臨場感によって、読み進めるうちに1脚の古い椅子が美しい姿に蘇る修復作業に立ち会っている気持ちになるはずだ。

左:西川栄明●編集者、椅子研究者。椅子や家具に関すること、森林や木材から木工芸に至るまでの木に関することなどを主なテーマにして、編集・執筆活動を行っている。著書に『この椅子が一番!』、共著に『Yチェアの秘密』『ウィンザーチェア大全』など。企画編集に、『流れがわかる! デンマーク家具のデザイン史』(多田羅景太著)などがある。
右:坂本茂●木工デザイナー。東京造形大学造形学部デザイン学科非常勤講師。五反田製作所などで家具製作に携わった後、1990年に現、カール・ハンセン&サン ジャパン入社。Yチェアなどの商品管理(検品・修理・輸入業務)を担当。2014年に退社後、sim design設立。デザイナーとして活動するほか、Y チェアやJ39などのペーパーコードの張り替えや修理も受けている。98年、第1回「暮らしの中の木の椅子展」最優秀賞など。共著に『Yチェアの秘密』がある。


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