都市整備の重要性が世界中で叫ばれる中、権威あるダッチ・デザインアワードでアムステルダム市が最優秀クライアント賞を受賞。街のインフラや公共空間を最適化するための、新しいデザインマニュアルが受賞の対象だ。市はこの中で、ゴミ箱や街灯のデザイン、緑地帯の敷設方法、道路舗装の素材や形状を細かく規定。持続可能で統一感ある街並みを目指し、各所でリニューアル工事を進めている。特に市民には、歩行者や自転車、クルマ、トラムの動線が入り交じる交差点のデザインが好評。快適性や安全性とともに、景観の向上も図る。審査員が「未来の街並みを見据えた画期的なデザイン戦略」と称賛した市の取り組みは、足元から市民生活を支えている。

弱冠18歳でミラノコレクションに登場し、神童と言われた若手デザイナー、リカルド・ラマンナ。数年前から映画のコスチューム・デザインなどにも携わり、トレンドを取り入れた商品を発表していくプロントモーダで活動している。
そんな彼の店がついにオープンした。ラマンナ自身のコレクション以外にも、地下には仕立てコーナーがありオーダーメイドの注文も可能だ。新しい素材と伝統技術を取り入れ、ボリューム感がありながら袖を通すとシャープな印象を与えるのが彼のデザインの特徴。また、店内には積極的に色を取り入れた服が並ぶ。自分なりの着こなしを、この店でとことん楽しんでみよう。

世界中で人気のケバブだが、サンドイッチとして広まったのはベルリンが発祥だといわれる。1972年、トルコ移民のカディル・ヌルマンがドネルケバブ（トルコ語で「回転させながら焼く肉」）のスライスと野菜をパンに挟んで提供したところ、評判を呼び、ドイツ中に広がった。いまや1600軒以上のケバブ屋台がひしめき合い、「ドネルケバブの首都」の異名をもつベルリン。「ケバブ・ウィズ・アティテュード」は、そんな激戦区で異彩を放つニューカマーだ。安さと手軽さ重視の従来の店とは異なり、農場から直接仕入れた放牧牛や鶏肉、有機野菜をベースに、具材にマンゴーやココナッツソースを使った個性派メニューが並ぶ。次世代のケバブとして注目の的だ。

オックスフォード大学で学び、レガッタのアメリカ代表選手としても活躍したジャック・カールソンが、ブレザーを中心としたブランド「ローイング・ブレザーズ」を立ち上げたのは2年前。昨年夏のポップアップストアも大成功を収め、ついに旗艦店をオープンさせた。
クラブハウスと呼ばれるこの店は、ビリヤード台やゲームマシンが設置され、ポップな印象。ブランドの主軸であるブレザーの他、オープンに合わせてパーカー、ポロシャツなどの新商品も仲間入りした。さらにヴィンテージのロレックスやセイコーの時計、キッチュなカレッジグッズといったファッションに取り入れたいレトロなアイテムも扱う。新しいプレッピースタイルをぜひチェックしたい。

ネット書店が世界的にシェアを伸ばす中、北京では空間にこだわったリアル書店の勢いがまだまだ堅調。最近は20世紀初頭の教会をリノベした「模範書局 詩空間」（モォファンシュウジィ シュークンジエン）が話題の筆頭だ。もとの教会は英国国教会のチャールズ・P・スコット司教により1907年に建設、中国語では「中華聖公会」と呼ばれる。かつては中国北部において最大規模の教会であり、清朝の建築様式も融合された独特の建物。運営する「模範書局」は、近代建築の再生に定評があり、中華民国時代築のビルに書店を出したこともある。今回は、神聖な雰囲気はそのままに、読書とハンドドリップのコーヒーが楽しめる空間に仕上げた。ひと息つけるオアシスだ。