五感を開いて感じる「おもしろびじゅつワンダーランド2017」展は、楽しいアート・エンターテインメントです。
サントリー美術館で、体験型の展覧会「おもしろびじゅつワンダーランド2017」が開催中です。
難しいと思われがちな日本美術を、その特徴や表現に合わせた多彩な切り口で紹介。観て、聞いて、話して、つくって、身体全体でその魅力に迫ります。サントリー美術館が六本木に開館してから10年、さまざまな教育普及活動を行ってきましたが、その経験を活かした企画の第2弾として、さまざまな仕掛けで新しい美術体験を提供しています。合言葉は、「ひらけ!美のとびら」。美の世界を啓くだけではなく、観る側の感覚をも開きます。
会場は6つのテーマで構成されます。まずは「出現! 鳳凰ワールド」。狩野探幽の屏風を中心に、鳳凰があしらわれた作品を紹介します。畳まれた屏風が開いて金地に舞う鳳凰が現れるデジタル映像は、当時の感動を再現しながら鳳凰のひみつを探ります。
次いで暖簾の先は「きらきら! 切子の宇宙」。江戸切子の器がマジックミラーの中で輝きます。無色透明の作品に、多様な切子のカット文様を見つけるという趣向。光さんざめく空間で、カット面の拡大映像と合せて観れば、美しさもひとしおです。
幻惑の後は「かこまれて! くつろぎの宝尽ルーム」でひと息。打出小槌、隠蓑など、昔話でもおなじみの魔法アイテムは、吉祥を示す宝物。物語だけでなく、多くの工芸品にも表されました。「宝尽文」の作品が並ぶ中央には、宝クッションが敷き詰められた大きな皿が。ここで寛げば、招福間違いなし!
階下には、巨大な徳利が出現。「みんなで叫んで! 吹墨文」では、吹墨文様の徳利に因み、設置されたマイクから声を発すると、巨大徳利に文様が浮かびます。声の大きさや発音で、文様の形や色が変わるのを楽しんで。
続いて「みて・きいて! 鼠草紙絵巻」に耳を傾けます。人間の姫君と結婚する鼠の奇想天外な物語を描く絵巻を、現代語に置き換えた特製音声ガイドと図解で楽しむコーナー。鼠たちの一喜一憂、活き活きとしたやり取りは、アニメのように絵巻の世界に浸れます。
最後は、繊細なモチーフ、大胆な色遣いと精緻な技術で彩られた小袖や能装束に、江戸のファッションを堪能し、それらを参照して、パネル上で自分ならではのデザインを考える「おしゃれに! 自分だけのキモノ・デザイン」で、アイデア勝負を。そのデザインは大型ディスプレイに現れ、あなたの作品も展示空間に並びます。
子どもはもちろん、大人でもつい熱中してしまう展示空間。夏休みは、“美のワンダーランド”で遊んでください。
※無断転載を禁じます
「六本木開館10周年記念展 おもしろびじゅつワンダーランド2017」
開催期間:~8月31日(木)
開催場所:サントリー美術館 ガレリア3F
東京都港区赤坂9-7-4
開館時間:10時~18時(金、土および8月10日は20時まで開館)※入館は閉館30分前まで
会期中無休
TEL:03-3479-8600
入場料:一般1300円
http://suntory.jp/SMA/