“真のオトコ”のオーラを完全予約制で堪能する、追悼特別展「高倉健」が話題になっています!
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2014年、多くの映画ファンに惜しまれながら世を去った高倉健。
2013年には文化勲章を受章、ファンのみならず、関係者や俳優仲間からも、もっとも出演が待望されていたというこの名優のイメージは、世代によって大きく異なるかもしれません。
アウトローに生きながらも己の信念を曲げない「俠」として、寡黙で朴訥としたものごしの奥に激しく熱い情熱を秘めた「漢」として、そして諦念とも思えるほどに、積み重ねた経験を感じさせる重厚な暖かさをにじませる「男」として。しかし、いずれにも通じているのが、その強い瞳の光に現れる、静かでかつブレない芯を持つ人間性です。それこそが、「高倉健」という人物の変わらぬ本性であり、その本性に多彩な役柄を纏わせるからこそ、役者として、世代・性別・キャラクターを問わず、多くの人々を魅了し、愛され続けたのでしょう。
三回忌を機に、東京ステーションギャラリーで開催中の、高倉の俳優人生を回顧する展覧会は、なんと、全日日時指定の完全予約制。
彼が生涯に出演した205本(!)の作品のハイライトシーンを網羅し、本人が所蔵していた脚本や小道具、スチール写真からポスターやプレスシートなどの宣伝物まで、貴重な資料も一堂展示される、「全館これ高倉健」を、じっくり堪能してほしいとの思いから、当館では初めての試みです。美術館では俳優の展覧会を行うことも珍しく、“アーティストとしての俳優を見せる”新しいチャレンジでもあります。
熱烈なファンにとって魅力的な空間であることはもちろんですが、今回プロローグに現代アートの大家である写真家の森山大道と、画家の横尾忠則が、それぞれに高倉をモチーフにした作品を置き、平成のいまも生きるその影響を異なる形で魅せるステキな演出も見どころ。
平成から昭和へと自然に遡る空気の中で、画と音と光によって再生される「高倉健」は、やっぱり悔しいくらいカッコよくて、(若いときでも)渋くて、孤高のさみしさと包み込む温かさが併存する厚みを持ち、名優のオーラは時代を超えるのだということを実感させます。
人間性が発する“真のオトコ”のいぶし銀の魅力、ちょっとした独占気分とともに味わってみませんか?(坂本裕子)
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粗い粒子の森山が撮る「高倉」と映像が語るインスタレーション。彼らしい、クールながらノスタルジックな象徴的世界が現在と昭和をつないでいます。
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横尾忠則《流転》(2016年 ミクストメディア) 2005年の「熊本・ブエノスアイレス化計画展」のインスタレーションを転用した作品。未来的な永遠性を感じさせる空間は、熱烈な高倉ファンだという横尾ならではのオマージュになっています。
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東映時代の「網走番外地」のシーンのスチールは、孤独なアウトローの哀愁に惚れ直すこと必至です。
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東映時代後期の任俠ものから独立時代の名作「幸福の黄色いハンカチ」や「野生時代」、「八甲田山」を貴重な資料とともに。
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海外作品にも多く出演した高倉。その存在感は、世界をも魅了しました。
特別追悼展「高倉健」
開催期間:~2017年1月15日(日)
開催場所:東京ステーションギャラリー
東京都千代田区丸の内1-9-1
開館時間:10時~18時(毎週金は20時まで/最終入場は閉館の30分前まで)
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
入館料:一般¥1,300
※日時指定の完全予約制(当館では前売券・当日券とも販売はありません)
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/