スウェーデンの黄昏時を表現する、「池田光宏 展 ブルーモーメント」

スウェーデンの黄昏時を表現する、「池田光宏 展 ブルーモーメント」

『Blue Moment』 2014年 ビデオインスタレーション 鉛筆と蛍光色の絵の具を使ったドローイングに、プロジェクターでさまざまな色の光を当てることにより、原画の色あいが刻々と変化し、まるで動画のような効果を生み出す。スウェーデンに滞在していた頃、夕陽の照射距離が長く、昼と夜のあいだの「ブルーモーメント」と呼ばれる黄昏の時間がゆっくりと続く北欧の気候を体験したことから、このアイデアが生まれた。

新しい映像インスタレーションの手法を編み出したアーティスト、池田光宏の個展『池田光宏 展 BlueMoment』が、恵比寿のギャラリー「TRAUMARIS|SPACE」で11月20日(木)から開かれます。

TRAUMARIS|SPACEでの池田の個展は、2013年に続き2回目。その作品は、人影が窓辺に浮かび上がるトロンプルイユ(だまし絵) 的な映像インスタレーション『by the Window』(今回は展示せず)や、蛍光色のドローイングに刻々と移り変わる光を照射した映像インスタレーション『Blue Moment』など、さまざまな場所にほのかに暖かい幻影を出現させるものです。

現在、長岡造形大学准教授を務める池田は、2008年に文化庁新進芸術家海外派遣研修員としてスウェーデンに滞在。冬の日照時間の極めて短い北欧の光に強く影響を受けています。人工的に発光する蛍光色もスカンジナビアのデザインやアートの表現に効果的に使われてきており、池田の作品に色濃く反映されています。近年には横浜の「黄金町バザール」や「六本木アートナイト」「恵比寿映像祭」の地域連携プログラムにも出品している池田。「常にゆらぎの中にある」という、光とイメージと視覚の関係性を探求するこの作家の個展に、足をお運びください。(Pen編集部)

展示の元となるドローイング(蛍光色アクリル絵具と鉛筆)15点のうちの1点。こうしたドローイングにプロジェクターで色の光を投影する。

池田光宏 展 BlueMoment
11月20日(木)~12月14日(日)

TRAUMARIS SPACE
東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff apart(ナディッフアパート) 3F 

TEL:03-6408-5522
開場時間:13時~24時(火~土) 14時~22時(日)
(カフェ営業は18時から)
定休日:月、火
入場無料
www.traumaris.jp


会期中のイベント:
トークセッション
11月23日(日)17時~18時30分
出演:三田村光土里(アーティスト)、池田光宏(展示作家)

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