謎が魅力を加速させる、
不思議なトゥールビヨン

左：ミステリアスな視覚が魅力的な逸品。

ルイ・ヴィトン「タンブール ムーン ミステリューズ フライング トゥールビヨン」

右：浮遊する機構に心酔。

ブランパン「ヴィルレ フライング トゥールビヨン ジャンピングアワー レトログレード ミニッツ」

超絶技巧トゥールビヨンを搭載する腕時計の中でも最高の華、“ミステリー・トゥールビヨン”の新作が話題となった。機構がまるで他から切り離されたかのように宙に浮く不思議なさまは、どうしても解けない謎の魅力である。
種を明かせば、本来は金属が使われる支持パーツを透明なクリスタルに置き換えるという高等テクニック。トゥールビヨンは特殊な例だが、スイス時計のクロックなどでは伝統的な技術でもあった。しかしそれを腕時計で再現し、しかも透明度の高いサファイアクリスタルを使うと、わかっていても魔法が解けない。ミステリアスなビジュアルは人を見惚れさせる。
さらにそのミステリーを進化させたのが同時期に発表されたルイ・ヴィトンの「タンブール ムーン ミステリューズ フライングトゥールビヨン」だ。3時位置にあるリューズがどこにもつながっていないように見える一本は、新たなミステリーなのである。