TREND 1

まだまだ進む、
メンズウォッチのカラフル革命。

上段左:虹色カラーのサファイアをベゼルにセット。ロレックス「オイスターパーペチュアル コスモグラフ デイトナ」¥9,979,200(予価、発売時期未定) 中央:かつてモーターレーシング界で割り当てられていた、各国のカラーコードを採用。ショパール「ミッレ ミリア レーシング カラーズ」300本限定。¥723,600(予価、7月発売予定) 右:ベゼルに施した江戸切子デザインが独創のブルーを彩る。 カシオ「OCW-S4000S」

下段左:ダイヤルからストラップまでワントーンで統一。ユンハンス「フォーム A」 中央:緑のガルバナイズド加工後に、黒のスプレーで仕上げたダイヤル。グラスヒュッテ・オリジナル「シックスティーズ」 右:発色が難しい鮮やかなレッドセラミックケース。ウブロ「ビッグ・バン ウニコ レッドマジック」

メンズウォッチのカラフル化が加速している。白・黒文字盤だけを押さえていれば乗り遅れなかった時代から様変わりして、ブルー文字盤が流行し始めたのが数年前。そのピークを迎えるより早く、グリーンやレッドの“ポスト・ブルー”候補たちが存在感を増してきた。服に合わせるのではなく、高級腕時計は単体で個性を主張することに覚醒したのかもしれない。
背景には高級ブランドの“マニュファクチュール化”が進行し、文字盤やケースを内部製作する傾向がまず挙げられる。分業が伝統のスイス時計では、かつては外部の専業メーカーから調達するのが当たり前であったが、それらがブランドの傘下に入ることも、近年は珍しくない。
そうして手段を得た自由な発想は、フリーハンドな色づかいに結びついていく。文字盤ではイエローやトープ(暗褐色)といった新基軸が登場し、ベゼルでも新たな色表現の模索が目立っている。そして技術の進歩も見逃せない。特に高級ケース素材として注目のセラミックで、自在な発色を得るテクニックの進化が続いている。