ミラノの名門カロッツェリア、「ザガート」3代目が挑戦する新デザインとは。
2018年9月にスイス・バーゼルで初開催された、デザインと建築をヴィンテージカーに融合させた新イベント「グランドバーゼル」。グランドバーゼルに最も多くの展示車両を提供したのは、カロッツェリアの名門「ザガート」であった。3代目の当主、アンドレア・ザガートがこのイベントを絶賛する理由とは?
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アンドレア・ザガート/1960年生まれ。ミラノ・ボッコーニ大学卒業後、祖父が設立したカロッツェリア・ザガートに入社。カスタムメイドの伝統を復活。そのかたわらで各種プロダクトも手がける総合デザイン・スタジオに成長させた。夫人のマレッラは、イソ・リヴォルタの創業者レンツォ・リヴォルタの孫娘。
ミラノの名門カロッツェリア「ザガート」の3代目として知られるアンドレア・ザガートは、現在のヴィンテージカーにおける「meaningful cars(意味あるクルマ)」の基準を次のようにコメントした。
「一部のフェラーリのように、ただ有名なだけのクルマは評価が下がっている。“意味あるクルマ”との区別はきわめて微妙なものだが、非常に興味深い」と。そして強調したのはグランドバーゼルが「商業主義に染まっていないこと」だ。
「スタンドをみればわかる。美術館のごとく落ち着いていてクルマを鑑賞することができるのは、きわめて歓迎すべきことだ」と言う。
アンドレア・ザガート自身について記せば、祖父が1919年に創業したカロッツェリアを若くして引き継いだ。そして大手自動車メーカーからの受託生産からあえて決別し、草創期の仕事であったカスタムメイドのフォーリセリエ(少量生産)を復活させたのだ。同時にミラノ市電をはじめとするトランスポーテーションやインダストリアル・デザインにも進出。最新作はプレイステーション4ソフト「グランツーリスモSPORT」用にデザインした「イソ・リヴォルタ ビジョン グランツーリスモ」である。現段階ではモックアップだが、「来年に向けて実走モデルも計画中」と語る。3代目は伝統を蘇らせ、未来にも果敢に挑む。
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1960年 アストンマーティンDB4 GT ザガート/「DB4 GT ザガート」は、DB4をアストンマーティンがレースに投入しようとしたものの、ライバルのフェラーリに比べて車体があまりに重かったために生まれた。軽量ボディを依頼されたザガートでわずか19台が製造され、担当デザイナー、エルコーレ・スパーダの代表作としても知られる。
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2017年 イソ・リヴォルタ ビジョン グランツーリスモ/グランツーリスモSPORTに登場する車両として、1962~70年代イタリアの華麗なGTカー・ブランド「イソ」に着想を得てザガートがデザイン。実車は少量生産が予定されている。後輪を駆動するパワーユニットはコルベット・キャラウェイのV8 2600㏄ツインターボ、最高速度は365㎞/hという。
こちらの記事は、Vマガジン Vol.01「グランドバーゼル&ペブルビーチ徹底取材 ヴィンテージカーの新潮流。」特集からの抜粋です。気になった方、ぜひチェックしてみてください。アマゾンで購入はこちらから。
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