日産自動車、伝説の名車を振り返る。【R91CP編】
日本車のヴィンテージを語るときに欠かせないメーカーといえば「日産自動車」だろう。戦前の「フェートン」からレーシングカー「R91CP」まで7台の「伝説の名車」を紹介する。
「速さ」と「燃費」を両立した、国産のグループCカー
ル・マンで最も長い直線「ユノディエール」。グループCマシン時代は、ここでの最高速が400km/hに届こうかという戦いだった。だが同時に「燃費性能」を争うレースだったことを関係者から聞くとそのギャップに驚く。1982年にFIAのモータースポーツ車両規定が変更され、屋根つきレーシングカーが新たに「グループN・A・B・C」と区分された。グループCは最も自由、かつ最高性能なカテゴリーで、マシンは「スポーツプロトタイプカー」とも呼ばれた。
このレギュレーションは、レースごとに使用できる「燃料の総量」を規制した点が新しい。以前は上限が決められていたエンジン排気量・気筒数・回転数が自由に設定できるため、得意分野を生かして燃費と速さを競うべく数多くの自動車メーカーが参戦。世界的な盛り上がりを見せる人気カテゴリーになった。