世界初の水素で動くエコカー、トヨタの「MIRAI」が街を走る。
新しいボディデザインのタクシーがパリの街を走り始めている。白い雲がふわふわと浮かぶ青空色のボディが目印の「ハイプ」は、世界初の水素自動車によるタクシー会社だ。「子どもを育てるひとりのパリジャンとして、タクシーなどの市内を走るクルマが街を汚さないための解決策を提案したいと考えた」と、創始者のマチュー・ガルディは語る。2009年に、電気自動車によるタクシー会社「STEP」を立ち上げるも、充電時間が長くかかる電気自動車はタクシーに不向きだった。それでも諦めず、2014年に登場した水素自動車に注目し、翌年には水素自動車によるタクシーを走らせ始めた。
さらに今年はじめ、数百台を抱えるタクシー会社を買収し、メディアを賑わせた。年内にはハイプ印のタクシーは700台に増える予定。購入した会社の車両はほとんどがディーゼル車だったというだけに、これがすべて水素自動車に変わるのはパリの環境にとって嬉しいニュースであることに間違いない。
車両の大半は、トヨタの新型「MIRAI」。乗り込んでみると、走行音も静かなことに驚かされる。酸素と結びつくことでエネルギーを生む水素を利用し、クルマから排出されるのは水だけ。振動が少なく、長時間運転しても疲れにくいのも特徴だ。チャージ時間は数分、1回のチャージで500km以上走行できる。従来のタクシー同様、街で手を上げて拾うこともできるし、空港やタクシー乗り場でもお目にかかれるはず。料金はもちろんメーター制の規定価格だ。
コロナ禍による規制で3度目のロックダウンが始まったばかりのパリだけに、まだ予約サービスは稼働していないものの、すでに配車アプリはダウンロード可能。アフター・コロナのパリでは存在感がぐっと高まっているに違いない。
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