「ティソ」からアールデコ全盛期に生まれた歴史的モデルが、100年の時を経て復刻。
最近の腕時計は、昔懐かしいヴィンテージテイストがひとつのトレンドになっているが、「ティソ」ではその王道ともいえるコレクションを復刻した。アール・デコの全盛期だった1919年に誕生した「ティソ ポルト」だ。このネーミングは、ポルトガル北部に位置し、世界3大酒精強化ワインのひとつに数えられるポートワインの出荷が盛んな港街ポルトに由来する。この歴史的モデルが今年で100周年を迎え、機械式とクオーツの2タイプで記念モデルが登場した。
優雅な曲線で造形された樽型のケースに、華奢でデリケートなワイヤーラグの組み合わせが高貴な印象。ただし、ダイヤルにはダイナミックにデフォルメされたアラビア数字を配置。かつてティソだけに供給されていた書体だという。このダイヤルに、クラシカルな色気を感じさせる独特の時分針がマッチ。
そして、6時位置の精密なスモールセコンドが、ノスタルジックなイメージを決定的にしている。ケースと同じ形状を線で描いた中に、細かな目盛りのレールウェイトラックと10秒ごとのアラビア数字。当時の精度へのこだわりをアピールするデザインではないだろうか。
3針の機械式ムーブメントだけでなく、カジュアルな価格のクオーツモデルが揃っているのも嬉しい配慮だ。機械式は手巻きで、オリジナルモデルを忠実に再現。ステンス・スチールと、ローズゴールドをPVDコーティングした2タイプ。クオーツは残念ながらスモールセコンドがカットされており、ダイヤルの印象はフラットだが、それでも樽型の洒脱なフォルムを忠実に継承しており、レトロな雰囲気を楽しめる。ステンレス・スチールのケースで、ホワイトダイヤルとブラックの2タイプが各60,500円(税込)。それにローズゴールドのPVDコーティングが68,200円(税込)でラインアップされている。
絶妙なサイズ感で腕にピタリとフィットするだけでなく、レザーストラップをホールドする繊細なワイヤーラグが秀逸に映える。100年前のデザインセンスを手の届きやすい価格で楽しめるので、ファッションにも気を使いたくなる。それほどの存在感を放つモデルなのである。
問い合わせ先/ティソ事業本部 Tel:03-6254-7361