これぞポルシェのタックスヘイブン!? マカンがアカン...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第17回 ポルシェ「マカン」/PORSCHE MACAN

これぞポルシェのタックスヘイブン!? マカンがアカンぐらい「911ライク」な理由とは?

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

このチェリッシュなカラーリングが最高。後ろにつくと分かるけど、295mm幅のリアタイアが強調されたリアビューもシブい。漢らしく、自動ブレーキや安全センサーの類は一切ないぜ(笑)。

いいですよね、マカン。絶対、読者の中にもオーナーさんいるでしょ。貴殿は良い買い物をされましたと、ささやかながら私からハグをさせていただきたい。かつマカンは、911以外はポルシェと認めない原理主義の皆さんにも 是非、乗ってみて欲しいね! 911シリーズが天才プリンスだとしたら、マカンはディアンジェロって感じ。ま、普通にドアが4枚ある時点でマカンには興味ないかも知れないけれど、そこを押して是非試乗してみて欲しい。カイエンやパナメーラで突きつめたけどいききれなかった、ボディの隅々まで意識が行き渡る身体感覚とリニアな操作感覚が911シリーズを彷彿させてくれるはず。2トンを切ってる重量もそうだけど、PDKを搭載しているメリットは思った以上に大きかったね。

今回乗ったモデルはマカンのベースモデル。これがS、GTS、ターボとグレードを上げていくごとに、よりマッシブに911シリーズへ近づいていくのは容易に想像がつくってもの。その意味で「マカンのライバルはマカン」という言い方をしたとしても、断じてハッタリなんかじゃない。V6ターボになって馬力とトルクが上乗せされて、さらにスポーティな仕様になっていくのも悩ましい選択肢には違いないんだけど、ベースグレードの“このままマカン”も東京街乗り仕様としては気の利いた選択なんだな。意見の別れる直列4気筒も、街乗りとして考えるにこの低燃費は素晴らしいよ。高速、一般道半々ぐらいでリッター14キロぐらい。ポルシェで直列4気筒乗るのはこれが初めてだったんだけど、給油して「マジ!?」ってなったからね。

あと、ベースモデルの良さとしては格別のシャーシ性能をもちながらも、スポーツモードにしたって、ガチガチのスポーツ仕様にならない柔軟性があって、実はそこが一番感心した点かな。AWDを感じさせないハンドリングの良さに、最高のバランスが仕込まれた足回り。結局、これが誰が運転しても心地良くてしなやかな走りに繋がってて、パートナーだって大喜びですよ(笑)。ダーリン、ひょっとして運転上手くなった? 的な! あははは。もちろんパートナーだって運転を楽しめるクルマだからね。これからSUVばかりになっていく世の中をポイズンと言わせない何かって、こういう乗り手を選ばない包容力であり、SUVにおける温故知新のモダニズムとその追求だと思う。だからこそマカンはディアンジェロ。もちろんベースはあくまでもハードコアな理想を追及しつつ、革新していくっていうね。実際、V6ターボもそれぞれのグレードをしっかり乗ってみたいよ。間違いないもんね。

Porsche Macan / ポルシェ マカン

●エンジン形式:2ℓ直列4気筒ターボ
●最高出力:252 PS / 5,000 - 6,800 rpm
●最大トルク:370 Nm / 1,500 - 4,500 rpm
●トランスミッション:7速PDK
●車両価格:¥6,850,000

問い合わせ先:ポルシェ カスタマーケアセンター TEL:0120-846-911
http://www.porsche.com/microsite/macan/japan.aspx