コンパクトカーの“メートル原器”、フォルクスワーゲン「ポロ」の最新モデ...

コンパクトカーの“メートル原器”、フォルクスワーゲン「ポロ」の最新モデルの実力は?

文:Pen編集部

最近の自動車デザインでよく使われる「スリーク」な表情になった、6代目「ポロ」のフロントマスク。先代モデルより薄く、ワイドになっています。

エッジがシャープになった印象のリアデザイン。写真のクルマは「ハイライン」というグレードで、アルミホイールなどが標準装備されています。

2018年3月、新型のフォルクスワーゲン「ポロ」が日本に上陸しました。フォルクスワーゲン社はその社名通り、国民のためのクルマをつくり続けてきた会社です。「ビートル」を誕生させ、世界中に浸透させたのは第二次世界大戦後のこと。1974年にはコンパクトハッチバックの始祖である「ゴルフ」をいち早く発売しました。「リーズナブルな価格」「シンプルな構造」「車内スペースが大きく、機械は最小」というコンパクトカーの理想を追い求めてきたゴルフは、時代やの変化や人々の要求に応じて豪華でパワフルに進化しつづけ、7代目にあたる最新モデルは、いまや高級車にも迫る乗り心地と運動性能をもっています。

そんなゴルフの弟分として75年に誕生した「ポロ」も、兄貴「ゴルフ」を追いかけるように進化してきました。当初はスペックや快適性を最低限に抑えたベーシックカーという位置づけでしたが、現在ではコンパクトカーの王道です。ヨーロッパの街を訪れるとわかりますが、いたるところで見かけるモデルになったのです。

大きな液晶モニターを採用し、クリーンなイメージになったインテリア。ミッションは7速DSG。変速ショックもなく、ダイレクトなフィーリング。

新型になって大きく進化したのはリアシートの足元。先代モデルと比べ、大幅に広くなりました。

トランクの容量もアップしました。大人2人と子ども2人+荷物を積んで小旅行に出かけても、不足はありません。

999cc3気筒のダウンサイジングエンジン。街なかでは決して非力ではないのですが、高回転を多用する傾向にあります。測定方法の変化もあり、燃費は先代より落ちています。

先代(左)と最新型(右)を並べると、全幅が大きく違います。フォルクスワーゲンの新しいプラットフォーム流用技術「MQB」によって開発された、初の「ポロ」となります。

「ポロ」の最新モデルは6代目にあたります。「MQB」というプラットフォーム(車台)流用技術により、ゴルフと同じ車台を使います。今回、発表されたのは999ccのガソリンエンジンを搭載するモデル。直列3気筒エンジンにターボを搭載した最新のダウンサイジングエンジンが特徴です。5代目ポロの1.2リッターTSIエンジン搭載のモデルと比べるとまず、内装のデザインの進化に驚きます。大きくなった液晶画面や先進安全技術の搭載など5代目とは違ってスマートにしてモダン。ベーシックなコンパクトカーでありながら、ここまできっちり仕上げてくるのは、さすがです。ただ、少し気になることもあります。そのひとつが横幅。他のモデルとのシャーシ共用化によって横幅は明らかに広くなりました。けれどこれが、日本の狭い道では少し気になります。軽自動車がすれ違うのがやっとという道では、この横幅はキツいでしょう。その代わり、ワインディングや高速道路での安定感につながっています。そしてもうひとつ気になるのは、エンジントルクの細さ。排気量が200cc小さくなったことも影響しているのでしょう。追い越しや登坂路では必然的に高回転となり、エンジン音が気になってきます。電動サイドブレーキを採用していないため、アダプティブクルーズコントロール(ACC)で車両が停止したあと、数秒でACCがキャンセルされてしまうのも惜しいところです。とはいえ同じ車格の日本車、ヴィッツやノート、フィットに比べると、走りは段違い。さすが、ドイツ車と思わせるしっかり感があります。

フォルクスワーゲンジャパンによると今秋には2リッターのエンジンを搭載する「GTI」が上陸予定。値段は高くなりますが、気になるエンジントルクなどは確実にクリアするでしょう。いまから楽しみです。

フォルクスワーゲン・ポロ
●エンジン:999cc 直列3気筒TSI
●最高出力:95PS/5000~5500rpm
●最大トルク:175Nm / 2000~3500rpm
●車両価格:¥2,098,000~
フォルクスワーゲン カスタマーセンター TEL:0120-993-199
www.volkswagen.co.jp

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