豊かな階調で 他社に差をつけた、 有機ELの最右翼。
「ほしいテレビは有機EL」が、常識になりつつある。21世紀の初めの頃は、バックライト発光で明るいが画調にクセがある液晶と、自発光にて画質はとてもよいのだが暗めなプラズマが二択で選べたが、プラズマが液晶に負けてから、ユーザーは液晶テレビしか選べない状態が続いていた。しかし昨年から、プラズマの後継たる有機ELテレビが登場し、自発光デバイスならではのコントラストの確かさ、視野角のストレスのなさで、「高級テレビは有機EL」というイメージづくりに成功した。
このほど2018年モデルが各社から揃い踏みしたが、昨年の発進モデルから大幅に画質を向上させたのが、パナソニック。有機ELに搭載するパネルは韓国のLGディスプレイの一社独占状態が続いている。パナソニックもソニーもLGもすべてLGディスプレイの有機ELパネルを使うしか手立てがない。ここで、テレビ画質的に興味が湧くのは、ブランドの画質キャラクターをどう演出するかだ。
これまでの液晶テレビでは、メーカーはパネルを自由に選べた。世界にはパネルメーカーがたくさんあり、選り取り見取りだった。ところが有機ELパネルメーカーは一社のみ。そこでなにより注目なのが、個々のセットメーカーの絵づくり(画質設計)だ。液晶テレビでは「パネルの個性+絵づくりの個性」の総合が、そのテレビ製品の最終の画質になったが、有機ELテレビの場合はメーカーの腕がそのまま反映される。
そこで、今回のパナソニックの新製品FZ1000だ。有機ELパネルは基本性能としてコントラストがもの凄く高いので、基本の黒がしっかりする。問題は階調表現。つまり「暗部の中で黒い服が見えるか、太陽に照らされた白いワイシャツが白一色にならずに、微細な皺が再現できるか」。パナソニックはもともと黒階調再現では抜群の腕を見せていたが、FZ1000では白側の表現力が格段に上がった。その結果、ディテールまで非常に明確に再現されるようになった。見た目の画像情報量が格段に増加したのだ。
画質改良について、パナソニック・テレビ事業の責任者に訊いた。「有機ELテレビを始めて3年になります。その間に設計ノウハウがたまって、パネルの使い方がわかってきました。パネルと信号回路系のすり合わせをいかにうまくやるか。加えてハリウッドからの映像に対する要求も高かった。その基準をクリアするような絵づくりをしてきました」
具体的には、入力信号をパネルで最もよく見せるように色を入れ替える技術「三次元ルックアップテーブル(LUT)」の改良が大きい。もともと画質が上質な有機ELをさらにアップグレードさせた。パナソニックはいい仕事をした。
画面前方に据えつけられるスピーカーは、壁かけ時には画面とフラットに設置できるなどの工夫も光る。
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