オメガの超話題作「スピードマスター ムーンウォッチ」が、ついにマスター クロノメーター認定モデルとなって登場。
たとえるなら、1960年代の伝説的なスポーツカーを細部まで忠実に再現し、これに最新型のスーパーエンジンとオートマを搭載して運転しやすくリメイクしたといえるかもしれない。伝説のムーンウォッチ(月に初めて行った時計)の愛称で、時計史に燦然と輝く手巻き式クロノグラフ「スピードマスター プロフェッショナル」がアップデートされ、「スピードマスター ムーンウォッチ マスター クロノメーター」として発売された。
「スピードマスター」は1957年に誕生。世界で初めてタキメーターをベゼルに刻んだクロノグラフともいわれる。1965年からNASAの公式装備品となり、1969年にアポロ11号に搭乗した宇宙飛行士の腕に巻かれて月面に到達した。この史上初の快挙を成し遂げたのは4代目のモデルだが、今回の新作はそのデザインをベースにしている。左右非対称でアイコニックなケース形状はもちろん、外周を傾斜させたステップダイヤルに加えて、アルミニウム製のベゼルリング(タキメーター)にはオリジナルと同じ“ドット・オーバー 90”(90の数字の上にドットがある)や“ドット・ダイアゴナル・トゥ 70”(70の数字の斜め下にドット)を採用。細かな違いながらも、「スピードマスター」のストーリーを語る上で大切な要素になるため、マニアやファンには見逃せないデザインだ。こうした歴史へのオマージュだけでなく、秒の目盛りを従来の1/5秒刻みから、ムーブメントの振動数(毎秒6振動)に対応した1/3秒に変更。進化も怠らないのがオメガらしい。
搭載されたムーブメントは、オメガ独自のコーアクシャル脱進機を備えた「キャリバー3861」。マスタークロノメーター認定もクリアしている。これは8項目の厳しい基準が設定された検定であり、特に耐磁性を重視。一般的なMRI(核磁気共鳴画像法)が発する1万ガウスを上回る1万5000ガウスの高磁場環境でも高精度を維持するモデルだけが認定される。機械式腕時計は磁気が大敵なのだが、マスタークロノメーターならまったく気にすることなく日常使いできるわけだ。
ケースはステンレス・スチールと、18Kカノープスゴールド(オメガ独自開発のホワイトゴールド)、18Kセドナゴールド(色褪せないオメガ開発の素材)の3種類。1列が5つのアーチ型リンクによって、これまでにない滑らかなフィット感を実現した新しいブレスレットと、ストラップがそれぞれ用意されている。
このうちステンレス・スチールモデルの風防はサファイアクリスタルだけでなく、へサライトガラス(硬化プラスチック)も選べる。後者はオリジナルモデルと同素材であり、形状もドーム型なので、温かみを感じさせる往時のヴィンテージな雰囲気を楽しめるのではないだろうか。
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