【新旧名車を比較! Vol.1】BMW イセッタ & BMW i3

【新旧名車を比較! Vol.1】BMW イセッタ & BMW i3

写真:小林俊樹 文:清水雅史(モンキープロダクション)

手をかけて育てる楽しみのある「ちょっと古いクルマ」と、歴史とともに培われた技術力によって進化した「長く愛せる新車」。どちらも甲乙付けがたい魅力があふれているのは、よりよいクルマを目指して自動車エンジニアが注いだ情熱があるからこそ。新旧2台のクルマから、その情熱を感じてください。Vol.1はBMW イセッタとBMW i3の登場です。


クルマの姿を描き直す、BMWが生み出した革新的なスモールモデル

左は「2017年式 BMW i3」、右は「1958年式 BMWイセッタ300」。並ぶと驚くほどコンパクトなイセッタ。リア側にエンジンもしくはモーターを搭載した後輪駆動という共通項をもっています。 車両協力/左:BMWジャパン TEL0120-201-438 www.bmw.co.jp 右:モトーレン阪神 TEL0797-31-3600 

誰をも笑顔にするユーモラスなこのクルマが、BMWの歴史の中で重要な役回りを担っていたと言うと、にわかには信じられない方もいらっしゃるでしょう。イタリアで設計されたイソ・イセッタを、1955年からライセンス生産したのがこのBMWイセッタ。当時、高級車ばかりをラインアップしていたBMWは販売不振が続き、安価なモデルを求める声に応えて白羽の矢を立てられたのがイセッタでした。もくろみは見事的中し、最初のモデルである250は55年だけでおよそ1万台が生産されました。翌年には排気量をアップした300が追加され、さらに57年には2列シートを備えた大型の600も登場。イセッタはBMWの救世主となったのです。

後輪の間隔が狭いため3輪車と思われがちですが、BMWイセッタは4輪自動車。開閉が可能なキャンバストップは、緊急時の脱出スペースとしても考えられていました。

2016年にマイナーチェンジを実施し390km(JC08モード)の航続距離を実現。発電用のエンジンを搭載するレンジエクステンダー装備車も選ぶことができます。

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