「ジャケ・ドロー」の代表作「グラン・セコンド」に、技巧を凝らしたクロノグラフが登場。
クラシックな機械式時計の象徴であるスモールセコンド(小秒針)を、通常とは逆に大きくデザイン。上部の時分計と合わせて、ふたつのインダイヤルがダルマ型の8の字に重なったジャケ・ドローの代表作「グラン・セコンド」に、初のクロノグラフが登場した。
この8の字を崩すことなく、30分積算計を下部のサブダイヤルに溶け込ませた2カウンタータイプ。その外周にはポインター式の日付表示があり、しかもレトログラード。月末を表示し終えた指針はダイナミックに1の位置まで瞬時に戻る。中央に位置するクロノグラフ秒針の軸が日付目盛りに重なるユニークな配置だが、これほど大きな角度のレトログラードは珍しい。このふたつの機構を新たに搭載する代わりに、従来の通常秒針はカットされている。
クロノグラフのプッシャーも、流麗なケースフォルムを損なうことのないようシングルプッシュ式に。リューズトップのボタンを押すだけでスタート、ストップ、リセットを繰り返す。「グラン・セコンド」の秀逸なスタイルを守りながらも、複雑なコラムホイール式クロノグラフを、知恵と技巧を凝らして搭載した新作だ。ヒゲゼンマイも磁場や温度変化に強いシリコン製。外観こそクラシカルだが、内部のムーブメントは最先端なのである。
4タイプのバリエーションがあり、最上級となる世界限定88本の18Kレッドゴールドモデルは、8の字が直立したスタイルにエナメルダイヤルを組み合わせている。このブランドが誇る「高温焼成」エナメルによって、深みのある艶をもつアイボリーカラーのベースを作成。その上でインデックスのアラビア数字やローマ数字を、膨張・収縮で形が歪むことのない「低温焼成」で仕上げている。この2つのエナメル技法によって、ダイヤルの色彩が長期にわたって保たれるという。
レギュラーモデルは、ステンレス・スチールケースに、8の字を斜めに傾けたスタイルが特徴。プッシュボタン付きのリューズも、通常の時計では4時にあたる位置。サンドブラスト仕上げのシルバー、グレー、ブルーダイヤルの3カラーがある。
4タイプともに、クロノ秒針の先端は最外周を回転し、これを積算する30分計も下部の大きなサークル内周にあるので、大変見やすい。伝統工芸を継承する美麗なダイヤルが高く評価されてきたコレクションだが、見て味わうだけでなく、持つ人が自ら針を操作する楽しみが加わったといえるだろう。
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