購入まで1年待ち! 天下無双のカーデザインを誇る軽自動車「ジムニー」の...

購入まで1年待ち! 天下無双のカーデザインを誇る軽自動車「ジムニー」の魅力とは?

文:サトータケシ

デビューするや大絶賛の嵐を巻き起こした新型ジムニー。自動車デザインにはまだまだ可能性があることを、一台の軽自動車が見事に証明しました。

和の美意識が生んだ、ソリッドなデザイン

ジムニーのチーフエンジニアである米澤宏之を中心に、新型ジムニーの開発チームが目指したのは「無駄を削ぎ落とした機能美」でした。ジムニーは世界194の国や地域に輸出され、森林を管理する人などが使う、本格的な“働くクルマ”。ゆえに、ボディの四隅を把握しやすいスクエアな形状や、激しい段差を乗り越えてもボディ底部を擦らない最低地上高、雪が付着しないように直立したサイドウィンドウなど、デザインにあたっては機能を最優先しています。

機能優先というと聞こえはいいですが、米澤が率いる開発チームにとっては制約が多いということでもあります。抑揚のある面の構成やエッジィなキャラクターラインなど、差別化を図るための技を封印されてしまうからです。

しかし、スケッチを描くデザイナーの手は縛られませんでした。徹底的に機能を追求し、丸目のヘッドランプや5本のスリットが入ったフロントグリルなど、かつてのアイコンを巧みに引用したのです。結果、どこか懐かしく、またペットのように愛しく思えたりと、機能美に温かみが加わりました。

新型ジムニーから連想するのは、狭くてなにもないのに無限の広がりを感じさせる茶室。そういう目で見ると、きわめて日本的なデザインであると思えてくるのです。

スズキ ジムニー XL
●サイズ(全長×全幅×全高):3395×1475×1725mm
●エンジン形式:直列3気筒、インタークーラーターボ
●排気量:658cc
●最高出力:64PS/6000rpm
●駆動方式:パートタイム4WD
●車両価格(5MT):¥1,582,200
●スズキお客様相談室 TEL:0120-402-253
www.suzuki.co.jp

チーフエンジニアの米澤宏之さんに聞いた、新型ジムニーのココが変わった!

米澤宏之(スズキ四輪商品第二部チーフエンジニア)

●1987年入社。軽自動車用エンジンやターボエンジンの開発に携わる。2009年、電動システムの開発を行った後、13年、エスクードとジムニーのチーフエンジニアに就任。

頑丈なはしご型フレームからサスペンションが生えるという、強固で耐久性に優れた基本構造は踏襲。そこに補強材を加えることでボディの強度が高まり、マウントゴムの新設計で乗り心地が向上。

内装のデザインが水平基調となっているのは、広さを感じさせるためと、オフロードで車体の傾きを判断しやすいようにとの配慮から。光の反射を抑えた素材の採用など、内装も機能優先。

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