購入まで1年待ち! 天下無双のカーデザインを誇る軽自動車「ジムニー」の魅力とは?
デビューするや大絶賛の嵐を巻き起こした新型ジムニー。自動車デザインにはまだまだ可能性があることを、一台の軽自動車が見事に証明しました。
和の美意識が生んだ、ソリッドなデザイン
ジムニーのチーフエンジニアである米澤宏之を中心に、新型ジムニーの開発チームが目指したのは「無駄を削ぎ落とした機能美」でした。ジムニーは世界194の国や地域に輸出され、森林を管理する人などが使う、本格的な“働くクルマ”。ゆえに、ボディの四隅を把握しやすいスクエアな形状や、激しい段差を乗り越えてもボディ底部を擦らない最低地上高、雪が付着しないように直立したサイドウィンドウなど、デザインにあたっては機能を最優先しています。
機能優先というと聞こえはいいですが、米澤が率いる開発チームにとっては制約が多いということでもあります。抑揚のある面の構成やエッジィなキャラクターラインなど、差別化を図るための技を封印されてしまうからです。
しかし、スケッチを描くデザイナーの手は縛られませんでした。徹底的に機能を追求し、丸目のヘッドランプや5本のスリットが入ったフロントグリルなど、かつてのアイコンを巧みに引用したのです。結果、どこか懐かしく、またペットのように愛しく思えたりと、機能美に温かみが加わりました。
新型ジムニーから連想するのは、狭くてなにもないのに無限の広がりを感じさせる茶室。そういう目で見ると、きわめて日本的なデザインであると思えてくるのです。
チーフエンジニアの米澤宏之さんに聞いた、新型ジムニーのココが変わった!
米澤宏之(スズキ四輪商品第二部チーフエンジニア)
●1987年入社。軽自動車用エンジンやターボエンジンの開発に携わる。2009年、電動システムの開発を行った後、13年、エスクードとジムニーのチーフエンジニアに就任。