キミこそは日曜日よりの使者! シトロエンの「C4ピカソ...

東京車日記いっそこのままクルマれたい!

第36回 Citroën Grand C4 picasso / シトロエングランドC4 ピカソ

キミこそは日曜日よりの使者! シトロエンの「C4ピカソ」でどこか遠くへ連れてってくれないか?

構成・文:青木雄介

編集者。長距離で大型トレーラーを運転していたハードコア・ドライバー。フットボールとヒップホップとラリーが好きで、愛車は峠仕様の1992年製シボレー カマロ改。手に入れて11年、買い替え願望が片時も頭を離れたことはない。

走りは2.0リッターディーゼルターボで、低燃費にしてとても快適。無理やり走りのイメージにもってこうとする昨今のミニバン市場に、食傷気味の貴方に。フランスからの素敵なアンチテーゼだね。

地元サッカークラブのパパ・スタッフの間では、7割以上のシェアをほこるミニバン率。遠征や合宿の際に人もモノも満載で稼働してくれるから、人もモノも載せれない身としてはホント感謝しかない訳です。こういう実用の場になると、ロールバーを組んだ25年前のアメ車なんてのは無用の長物(よく止まるし)。サッカークラブに限らず、スノボやサーフィンもする週末を夢みる身としては、間違いなくミニバンが最適解! そんなのは分かってるけど! 分かっちゃいるけど……。

そんな10年以上の葛藤を経て、もはや悩むこともなくなった我が身ながら「お!」と思った、ひさびさのミニバンがこのシトロエンのC4ピカソなんだ。シトロエンは3年前にDSというプレミアムラインを始めてから、高級感やアダルトなイメージをぜんぶDSに注ぎ込んで、明るく快活に、アヴァンギャルドな我が道を行くようになった印象がある。これがルノーやプジョーといったほかのフランス車ブランドと比べても、はっきりと差別化されていて「シトロエンじゃなきゃダメ」っていうブランド買いさせる強さまで繋がってきた感があるんだよね。このC4ピカソはモロにその傾向が出ている。

まずフロントフェイスはシェブロンマークをフィーチャーした未来的デザインでしょ。これ新生シトロエンの顔とも言えるデザインなんだけど格好いいよね! Aピラーからルーフラインに続く流線型と絶妙のバランスを保ってる。前から見るとぱっと見、実際よりもコンパクトに見えるんだ。サイドも強弱つけた起伏に、練られたデザインの軌跡をうかがい知れる。ま、いっそリアのドアは国産みたいにスライドドアにしても良かったかもなぁとは思うけど、驚きの真相にして深層は室内空間にあるんだよ。

AピラーとBピラーの間にミニバンらしくもう1本ピラーが入ってるんだけど、これが異様に長い! 眠い目を爪楊枝で拡げる昭和マンガの受験生みたいに(笑)、そのスペースが拡げられてるから、前方に向けて驚くべき解放感を生み出しているんだ。まるでリニアモーターカーのコクピットに乗り込んだみたいな感じ。さらに後部座席から見るとグラスルーフとあいまって、ガラス張りの潜水艦みたいなんだ。「無理したなぁ」と素直に思うし(笑)、フロントウインドウが上に高すぎて、サンバイザー下げても額の辺りまでで役目を果たしてなかったりする(笑)。でも唯一無二の解放感だよ、これって。

さらに後部座席のシートが、素材からデザインまでかわいいんだけど小ぶりすぎるのが気になる(笑)。乗せるのは子どもと小さいヒップのモデルのみと言わんばかりだし、それに限らず、お国柄なのか大きなモノを小さく見せようとする企みがあらゆるところで効いてる気がするんだ。でもすごくいいんだよ! ネタっぽく書いたけど、ぜんぶチャームポイントだし、とにかく品があって国産ミニバンと並べるとデザイン性の高さは一目瞭然だしね。10年を経て、すっかりミニバンの助手席が指定席になった自分的には、週末アクティビティに「これで誰かに迎えに来てほしいなぁ」とか考えちゃったよね! あははは。女子力ふくめて自信あるからね、ミニバン助手席っていう定ポジション。

Citroën GRAND C4 picasso / シトロエン グランドC4 ピカソ

●エンジン:2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ
●最高出力:150PS
●最大トルク:370Nm
●トランスミッション:6速AT
●車両価格:¥3,800,000より

問い合わせ先:シトロエン コール 
TEL:0120-55-4016

http://web.citroen.jp/c4-picasso/