東京車日記いっそこのままクルマれたい!
第3回 BMW 2シリーズ グランツアラー BMW 218d Gran Tourer
もっさりしたミニバンにサヨナラ。トーキョー家族はグランツアラーで駆けぬけろ!
特段、誰というわけでもなく、どんなクルマに興味があるのか訊く機会の多い自分。
そんなたゆまない肌感覚リサーチの結果、ここのところやたらと家族もちの関心を集めていたのが、この「BMWのミニバン」でした。ミニバンといえば、このクルマに限らず誰にでも快適なスペースと乗り心地を提供し、長距離もアウトドアもなんでもござれ。子どもがサッカーチームに入っていようものなら試合のときに、ほかの子どももまとめて面倒みる頼もしいパパになるわけで、ミニバンがファミリーの鉄板車両になることに異論の余地はないよね。遠出もアウトドアも行かないけど、ミニバンのある家族像に憧れて所有するって人も多いはず。
けれども昨今のミニバンは、でかい図体に非力なエンジンがその典型。ゆえに構造上、どうやってもクルマで美徳とされる「しなやかさ」や「運動性能」がおろそかになりがち。結局、乗員の快適さばかりを追求したから腰高で鈍重なミニバンばかりが往来するようになっちゃった。そんな国産ミニバンの風潮、いや日本の自動車事情に「そうじゃないだろう」と突っ込みを入れてきたのが、このBMWのグランツアラーだ。
まず最初に、このグランツアラーはBMWの“駆けぬける歓び”を体現したモデルであることを保証したい。7人乗り3列シートで、FF(前輪駆動)のディーゼル車と非BMWファクターの塊なのに、BMWなのである。
とにかく、何をおいてもドライバー至上主義なのがBMWらしい。メーカー初のFFで(ミニバンは構造上どうしても避けがたい)、BMWならではの固めのサスに、走り心地は低重心なFR(後輪駆動)テイストを実現している。2リッターの直列4気筒エンジンに、どの速度域からでも効いてくる高トルク。ツインターボで伸びもほどよく、高速でも気持ちよくスピードに乗れる。この辺のクルマとしての“当たり前”が、当たり前のように盛り込まれているから、乗っているうちにミニバンであることを忘れちゃうぐらいだったんだよなー。
燃費は実用燃費でリッター15キロぐらい。ディーゼルだからランニングコストは国産ミニバンをしのぐよさと言える。グランツアラーにはガソリンエンジンもあるけど、まぁ、多少エンジン音は気になっても車両の大きさを考えれば、俺ならディーゼル選択するかな。車両価格もエントリーモデルはなんと360万ぐらいから! 国産ミニバン層だって買える価格設定で、BMWは腕を拡げて「どんどん乗ってください」とほほ笑んでるわけ。そして子育ても終わってグランツアラーも卒業、4シリーズか5シリーズ、いやいやZ4いきますか、と次のBMWライフも見えてくる一台と言えるよね。
●エンジン形式:2リッター直列4気筒ディーゼルターボ
●最高出力:150PS
●最大トルク:330Nm
●車両価格:435万円
問い合わせ先:BMWカスタマー・インタラクション・センター
TEL:0120-269-437