東京車日記いっそこのままクルマれたい!
第47回 BMW M4 Coupé Competition / ビーエムダブリュー M4 クーペ コンペティション
さしずめ彼は冥夜の守人!? BMWのM4クーペでハイウェイをナイツ・ウオッチ!
西海岸のベテラン、DJクイックのスムースなクルージンナンバーに「ブラック・メルセデス」って曲があるんだけど、このM4も誰かに曲にしてほしいね「ブラックBMW」! マットな黒に赤い革のシート。海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のジョン・スノウかと。乗り出すと「ああ、キミにぴったり」と、その黒いレイヴンコートを褒めたくなるんだ。M4はかつてのM3のクーペモデル。BMWらしい箱型クーペの血統を現代に伝える一台だと思う。不思議なんだけど運転席に収まると、もはや箱型とはいえない車型にもかかわらず、箱型に乗ってる気分になる! 50:50の重量配分もあってE30型のラリーカーってこんな感じだったのかなぁとか、M4はレガシーに直結した記憶ももってるらしい。
エンジンをかけると乾いた低音がセクシー。やっぱり帰ってきた直列6気筒エンジンがなにより素晴らしい。V8エンジンの時のM3クーペってスパルタンのひと言に尽きたんだけど、直列6気筒に戻されたM4はクールのひと言に尽きる! アクセルを踏み込んだ時の、直6スポーツの圧倒的な快感値があるから「他は何もいらない」って気になるんだ。このBMWが心血を注ぎ込んだ祝祭の門が猛烈にヤバい。このゲートを開けようとアクセルをやたらと踏み込む癖がついちゃって、マイカーの5.8ℓ V8を都内で走らせてる時とほとんど変わらない燃費だったのはご愛敬ですよ。あははは。
でもね。満タンにした時、「まだまだお願いします」って気になれるM4の駆け抜ける歓び指数は相当なんですよ。首都高はもちろん深夜の東北道、実家の蔵王エコーラインを走り回って、実走行は1200kmほどかな(笑)。その間、ほとんどオートマティックにすることなく、パドルシフトを操作し続けた理由はこのボディと、己の身体を同一化させて、直6の咆哮を聴き続けていたいという切なる想い。昔、575Mマラネロを借りた時に燃料費と高速代で、クレジットカードの枠を使い切るまで走りたいと願った時以来の感覚だったかもね(笑)。
箱型を感じさせる峠でのコーナリングの安定性と、ドリフト態勢にもいつでももってける天性のFR気質。直線になれば450馬力の解放を待ちわびる3ℓ直列6気筒ツインターボが、エキゾーストノートとともにいっきに突き抜ける! このふたつの特性以外にホント何がいるんだろうとM4は問いかけてくる。クルーズコントロールはいらないし、ヘッドアップディスプレイ、車線逸脱警告システムは超いらないし、いっそ助手席も後部座席もいらない(前車接近警告機能は演出としてイイ)。ともかく神がかった走りの本質があるがゆえに、そこをもっと突き詰めたい。M4オーナーはだいたい同じ意見だと思うね(笑)。そうそう。快適機能との両立はM3セダンが目指せばいいんじゃないかな!? なんてね。あはははは。
●出力:450PS
●トルク:550Nm
●トランスミッション:7速M DCT
●車両価格:¥12,790,000~
●問い合わせ先/BMWカスタマー・インタラクション・センター
TEL:0120-269-437
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