東京車日記いっそこのままクルマれたい!
第4回 アウディ「TTロードスター」/Audi TT Roadstar
秋の夜長はキミを宇宙船のサイドシートへ。“先進の極み”で乙女も惚れる!
TTの初代が発売されたのって1998年なんですね。あの球体を基調とした宇宙船みたいなデザインは、アウディ史上最高に尖ったデザインだった。デザイナーはフリーマン・トーマス。最初見た時、度肝を抜かれたよね。初代TTがアウディブランドをデザイン一発で一気に“先進”のメーカーとして認知させた観があるもんね。売れに売れまくって、当時は20代にも売れてた。クーペが20代なんて今じゃ考えられないけど、結婚して同居するから親に買ってもらうとか、普通じゃ買えないパターンも多かったと記憶している。
それはさておき、3世代ともに共通しているけどTTの魅力ってクーペとロードスター、どちらも選びがたいぐらいに拮抗しているんだ。クーペのルーフに流れる流線ラインって戦闘機のキャノピーみたいで唯一無二の格好よさだし、むろんロードスターのオープンで走れる日常エンターテインメント性の高さも何ものにも代えがたい。コンパクトなクーペってオープンに相性いいからね。どうしても欲しくなってしまう。
今回のTTもさんざん迷った末に、ロードスターをチョイス。テーマは夜の首都高ドライブですよ。あはははは。ジャスティン・ティンバーレイクの曲で「スペースシップ・クーペ」っていうセクシーなスローナンバーがあるんだけど、2シーターのクーペって完璧にカップルのためのクルマで、「ふたりだけの世界」を演出するためにあるクルマ。そんな夜の首都高を走ってる時の、疑似宇宙をふたりで突き抜けてるスペースシップ感は断然オープンのほうが体感値が高いわけ。
で、走ってみると軽量で剛性の高いボディにやんわりオーバースペックなエンジンでしょ。カーブでも四輪でしっかり路面をとらえてるから嗚呼、比類なきクワトロの安定感。アクセル踏み込んでも巻き込む風は抑えられてて快適だしね。そう。TTは夜の首都高を走るために生まれてきたんだね(笑)。夜景が360度取り巻いてて、街との一体感はマジでやばい。
今回、話題のバーチャルコックピットもいい。メーターパネルが液晶ディスプレイになってて、ナビもスピードメーターもインフォメーションはここで全部見られる。あとエアコンの円形の吹き出し口で、シートヒーターやエアコンの温度や風向き調整ができるレイアウトがシンプルに効いている。これが後付けの3連メーターみたいで格好いい。そうやってきっちりインパネまわりを整理したら、ナビなし空調なしオーディオなしの、レーシングマシンみたいなそぎ落としの美になってるし! この点、アウディの先進の気質はやっぱりTTで極まれるって感じがしたな。
●エンジン形式:2リッター直列4気筒DOHCインタークーラー付きターボ
●トランスミッション:6速 Sトロニックトランスミッション
●最高出力:230PS
●最大トルク:370Nm
●車両価格:605万円