ムーブメントが回転して時間を示す「ユリス・ナルダン」の複雑時計「フリーク」がモダンに変身。価格も大幅ダウンして新登場!
ユリス・ナルダンが2001年に発表した「フリーク」は、時計通も絶句する衝撃的な複雑時計でした。中央に軸をもつムーブメント自体が回転することで時・分を表示。リューズがないことも際立った特長であり、時間を調整する際は表側のベゼルを、ゼンマイを巻き上げる際は裏側のベゼルをそれぞれ回す画期的な仕組みでした。しかも、世界で初めてシリコン製パーツをムーブメント(脱進機)に採用。当時としては珍しい1週間以上のロングパワーリザーブも実現していました。
「フリーク」とは英語で「異形」または「(熱狂的な)マニア」という意味もあります。そのままダブルミーニングとしてあてはまる革新的な複雑時計であり、その後も進化を続けてきたのですが、機構をより単純化してモダンなスタイルに変貌した「フリークX」が新登場しました。
ムーブメントが1時間に1回転して分を表示。背後の歯車が時間を表示するプレートを動かすことに変わりはありませんが、輪列を大幅に合理化。歯車の数を減らすことで、より大胆なデザインになっています。ムーブメントで分針となるブリッジのエンドには、シリコン製で超軽量の大きなバランスホイール(てん輪)を配置。心臓の鼓動のように、正確に毎秒6振動する動きが、視線を惹きつけるアクティブなアクセントになっています。
また、時間調整とゼンマイ巻き上げを行う特殊なベゼルを取り去り、リューズ機構を復活。代わりに、ケースはやわらかな曲面で構成された美しい丸形になっています。手巻きから自動巻きになり、パワーリザーブは3日間(約72時間)。初代モデル(2枚目の写真)と比べれば一目瞭然ですが、見違えるほどスタイリッシュに進化しました。
ケース素材はチタン、18Kローズゴールド、ブラックDLC(チタンに硬質な炭素皮膜をコーティング)に加えて、最新の航空機などに使用されているハイテク炭素材料のカーボニウムも揃っており、変わらぬ革新性を示しています。ちなみに、初代モデルの価格は600万円台でしたが、今作はローズゴールドを除いて税別で200万円台。高価ではありますが、手の届くところまで降りてきた傑作コンプリケーションといえるでしょう。
ユリス・ナルダンは、航海用精密時計のマリンクロノメーターで知られるブランドであり、物理学者で天文学者でもあるルードヴィッヒ・エクスリン博士と共同開発した超複雑な天文時計も伝説的な存在となっています。そのほかにも、コレクターズアイテムのクロワゾネ(有線七宝)モデルなど、実は多彩な側面をもっています。これを機会にウェブサイトなどでラインアップをチェックしてみてはいかがでしょうか。
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