旅に必要な機能を備えた、タフなスポーツウォッチ
岩崎 寛(STASH)・写真photographs by Hiroshi Iwasaki
並木浩一・文
text by Koichi Namiki
アドベンチャーな要素をもつ道行きには、どんな腕時計がふさわしいのか。「カレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ GMT」は、どの時代も変わらない男の問いに対する、タグ・ホイヤーのひとつの回答だ。自社製クロノグラフ・ムーブメントに搭載された、初めてのGMT機能。約75時間の長さをもつパワーリザーブに、100mの防水スペック。機能に優れて性能が高いことは、実用性のプライオリティが高い移動に欠かせない、腕時計の必須要件だ。
スポーツウォッチで絶対的な信頼を得るブランドだけに、マテリアルの気配りも怠りない。昼夜を12時間ずつブルーとブラックに割り振ったツートーンベゼルは、セラミック製。スクラッチに強い素材は、アウトドアを苦にしない。ステンレス・スチールのケースに合わせたラバーストラップは、腕の動きに追随して的確に伸縮し、水濡れを恐れる必要もない。時分針と24時間表示GMT針、バー型インデックスには蓄光塗料のスーパールミノバを施し、光が乏しい環境下の時刻確認を容易にする。どこまでも、タフな状況を乗り越えるための条件を備えた。
しかもただ丈夫なだけが魅力でないことが、この腕時計の大きなアドバンテージだ。機械の内部を表から覗かせる文字盤は、日付ディスクやブリッジ状のパーツを巧みにスケルトン化し、インダイヤルには同心円のアズラージュ仕上げ。裏蓋もサファイアのシースルーバック仕様であり、自社製のクロノグラフ・ムーブメントの美しさを晒し、誇示する。45㎜の大柄な腕時計ながら視覚的バランスがよいのは、望ましいサイズのリューズと、蹴込みを浅めにセットしたプッシュピースとのプロポーションが考え抜かれているからだ。
旅先のアクティビティに有用な腕時計が移動時でも人目に映えるのは、悪いことではないだろう。なにより持ち主の目を癒すような腕時計には、必要なギアである以上に、帯同されていい資格がある。
カレラ キャリバー ホイヤー 02 クロノグラフ GMT