ライフスタイル雑誌『キンフォーク』の創刊者ネイサン・ウィリアムスと、王室にも支持される家具ブランド「メニュー」などを手がける建築・デザイン事務所ノームアーキテクツ。この豪華な顔ぶれがコラボした複合施設が、市内北東部の再開発地区ノードハウンに完成した。オフィス、ホテル、ショップ、カフェ、レストラン、ライブラリーが一堂に集結した「ジ・オード」だ。「名称はラテン語の『ひとつから、すべてを学ぶ』という言葉から。ここに人が集まり、経験、知識、アイデアをシェアして、新しいことが生まれる場にしたい」と語るネイサン。今後は、デザインやアートイベントなども開催する予定だとか。多くの出合いがここから生まれそうだ。

移民問題で揺れる欧州の中でも、突出して多くの難民を受け入れてきたドイツ。特に2015年は100万人を超える記録的な年だった。シリア難民のマラケー・ジャスマティもそのうちのひとりで、トランクいっぱいにスパイスを詰め、故郷ダマスカスを後にした。そんな彼女が苦労の末に開業したレストラン「マラケー」は、エキゾティックなのにどこか懐かしい味わいで、早くも人気を集めている。
実は彼女、シリアの反体制派テレビ局で放送されていた料理番組の司会者で、アラビア語圏では名前を知らない人はいない超有名人。「料理は愛を込めたコミュニケーションの手段」と言うジャスマティ。おいしい料理を通じ、世界中の人々を結びつけたいと願っている。

北京初の大型インテリア・ショップ「カバナ」がオープンし、瞬く間に話題を呼んでいる。富裕層の集まる商業施設が並ぶ一等地・三里屯エリアに位置し、売り場面積は600㎡。世界中から約40ブランドを集め、5つのテーマに分けた空間で展示している。4階にはイベントスペースを常設し、デザインに関する展覧会やトークイベントが頻繁に開催されている。会員制度を設けており、VIP会員になるとこのスペースをサロンとしても使用可能に。さらに、それぞれの家具は、スマホでバーコードを読み取って情報を確認できる。秋以降にオンラインショップも開設予定だが、せっかくなら、北京が誇る最先端のインテリアショップをこの目でチェックしたい。

フランスの伝統あるクリスタルのブランド、バカラがモンテナポレオーネにブティックを開店。美しいカフェ＆バーが併設され知る人ぞ知るアドレスとして静かな人気を得ている。
店内は2層に分かれ、ゆったりとした吹き抜けの空間をゴージャスなシャンデリアが華やかに彩る。カラフルなインテリアや、アレクサンドル・ベンジャミン・ナベットの絵画も必見だ。コーヒーやカクテルは、もちろんバカラの製品で提供される。ブティックが隣接しているので、カフェの後に気にいったアイテムを購入することも可能だ。こだわりのクリスタルに囲まれて贅沢な時間を過ごせる、ミラノの隠れ家的なスポットがまたひとつ誕生した。

イギリスと言えば「紅茶の国」だが、コーヒー関連ビジネスも拡大の一途。ロンドンにはうまいコーヒーに力を入れたカフェがひしめいているが、受刑者の社会復帰を支援するカフェ「レデンプション（贖罪）・ロースターズ」の評判がいい。
大学の同級生だったマックス・デュビエルとテッド・ロスナーが2016年に創業。刑務所内に焙煎所を構え、受刑者に焙煎とバリスタ訓練を行っている。手に職がない元受刑者の再犯率は5割以上と言われており、同社は希望者に出所後のコーヒー業界への就職斡旋も行うなど、再犯抑止に積極的だ。カフェの他、5月には金融街にスタンドが開店した。長くプロジェクトを見守りたい。