クルマで言えば、同エンジンで片やサルーン、片やSUVの感覚。
両天秤の腕時計
文:並木浩一 写真:宇田川淳

クルマで言えば、同エンジンで片やサルーン、片やSUVの感覚。

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TISSOT
ティソ

ティソの品揃えは、実に幅広い。クラシカルなドレッシーピースからICTの権化のようなハイテクウォッチまで、その構えはセグメントを超越するものだ。しかもその一つひとつが丹念につくり込まれているので、どれを選んでも間違いない。1853年創業の老舗ティソは、ただ者ではない。その事実を端的に見せつけるのが、最新鋭のムーブメント「パワーマティック80シリシウム」を同じく積みながら、キャラクターがまるで異なる2つのモデルである。
「ティソジェントルマンオートマティック」のデザインは、1960年代に実在したモデルからのインスパイア。アプライド・インデックスの丈の長さ、秒針の細さ、ドフィーヌ型の時分針は、いまも変わらず新鮮に映える。ポリッシュとマットのコントラストが際立つ三連のブレスレットには、上質な観音開きのクラスプを添えた。ビジネスシーンでの着用に適いながら、ブルー文字盤が照り返す絶妙のフレアがスパイスを効かせる、洒脱な時計である。
一方、対照的な魅力を描くのが「ティソシースター 1000 オートマティックシリシウム」だ。極太ペンシル型ハンド、ブランドの頭文字をカウンターにかたどった秒針、円と方形・三角の夜光インデックス。きりりとした表情は、スパルタンなスペックのダイバーズらしい。
その両者がともに積むのが、ハイスペックな自動巻きムーブメントだ。フルに巻き上がれば80時間は止まらないロング・パワーリザーブ機は、シリコン製ヘアスプリングを新搭載し、さらに精度を上げている。その現代の名機を、どちらもシースルーバックから見せる。クルマで言えば、同エンジンのサルーンとSUVのごとし。違う外見の兄弟機は、同じ高性能を享受しながら、それぞれの個性をもつのである。

  • ティソ シースター 1000 オートマティック シリシウム

    自動巻き「パワーマティック80シリシウム」ムーブメント、316Lステンレス・スチール、ケース径43mm、パワーリザーブ最長80時間、傷防止加工サファイアクリスタル風防、シースルーバック、ファブリックストラップ、100m防水。¥100,100(税込)


  • ティソ ジェントルマン オートマティック

    自動巻き「パワーマティック80シリシウム」ムーブメント、316Lステンレス・スチール、ケース径40mm、パワーリザーブ最長80時間、無反射加工サファイアクリスタル風防、シースルーバック、316LSS製ブレスレット、100m防水。¥104,500(税込)

ティソ TEL:03-6254-7361

クルマで言えば、同エンジンで片やサルーン、片やSUVの感覚。