平野レミ直伝、ひとつの餃子をみんなで食べる「マウンテン餃子」 (ゲスト:和田率)
アートディレクター、コピーライター、建築家、菓子作家という4人のクリエイターがチームを結成し、料理人とは全く異なる視点から新しい餃子づくりに取り組む「トゥギョウザー」。第2回からはゲストを招き、4人と一緒に餃子について考え、話し、実際に餃子をつくる過程などをお届けしていきます。
「餃子については、思うことがたくさんあります」と話すのは、ゲストの和田率。母親である料理研究家の平野レミとキッチンブランド「remy」を立ち上げたクリエイティブ・ディレクターは、子どもたちに手伝ってもらいながら、家庭での餃子づくりを楽しむことも多いそう。
「皮が炭水化物で、中の肉はタンパク質。野菜も入れればそれだけで完全食です。野菜だけならさらにヘルシーで、どんな具材でもそこそこマッチする。餡(あん)を変えれば、365日食べても飽きません」と和田。
餃子のよさは、家族でひとつの食べ物に手を伸ばすという行為にもあるとか。和田は「餃子は食卓を囲んで楽しめるし、近年進む孤食の対極にあるコミュニティフードの代表的な料理だと思います」と続けます。
和田を含めた5人で考える、今回の新しいギョウザのテーマは「家族とギョウザ」。トゥギョウザーでは、ゲストに合わせてテーマを用意。テーマに沿ったアイデアを全員が出し合い、そこからひとつ選んで、実際に調理するというルールを設けています。
テーマ「家族とギョウザ」は、和田の活動にちなんだもの。和田は、娘の弁当をつくってインスタグラムにアップする取り組みを2017年から続けています。毎日弁当作りをする父親として次第に注目を集めるようになり、料理教室や講演を開催し、日々のお弁当写真やレシピを収録した書籍「お弁父」の出版も手がけました。さて、家族というテーマに合わせて、5人はどのようなアイデアを出したのでしょうか。
鳥巣はケーキのように切り分けて食べる「ホールギョウザ」、能作は「大きなテーブルで食べるギョウザ」と、ふたりとも、家族のつながりを表現したアイデアを発表。古谷の「好(ハオ)ギョウザ」は、家族全員がそれぞれ好きなものを入れて、茹でた餃子の皮で包み、手巻き寿司のように食べるというもの。土谷の「マトリョーシカギョウザ」は、入れ子状になった皮だけ餃子。「ひとつになったり、バラバラになったり=家族?」と問いかけます。