都内にあって自然豊かな新宿御苑内に民間企業が出店するのは、スターバックスが初めて。
コンセプトやロケーションが話題を呼び、特に休日には多くの人が訪れる新宿御苑店。
25周年を迎えたいま、スターバックスが見つめ直そうとしているのが、同社のベースとなっている信念。コーヒーの力を信じ、コーヒーを愛する心だ。
コーヒー農園が直面する課題の解決に尽力し、コーヒー豆のエシカルな調達を徹底するなど、業界に先駆けて行っているサステナビリティを意識したアクションの数々も、その信念を表していると言えるだろう。
タンブラーに代表されるリユーザブルアイテムの使用や販売も、スターバックスが多くのファンに支持される理由のひとつだ。ストローやカップスリーブ、ショッパーバッグなど続々と新商品が登場し、いずれも人気を得ている。
「楽しみながら取り組んで、結果的に社会課題の解決に貢献できたら」と水口さん。
「サステナビリティについては、会社として取り組むべきことでもありますが、それよりもひとりの人間として、……僕には子どもが3人いるんですが、子どもたちやその孫たちに、どんな環境を残していけるのかが重要だと思っているんです。うちの店ではたくさんの大学生が働いていますが、そんな若い世代にとっては、環境について考えることは当たり前になっていますしね」
環境に配慮し、サステナビリティを実現しているか。それはいまや、消費者が商品や企業を選ぶ際の視点になっていると水口さんは言う。
床から天井まで開口部を大きくとり、景色を店内へと導き入れるような開放感溢れる設計。
スターバックスが継続して取り組んでいる活動に、牛乳パックと豆かすのリサイクルがある。牛乳パックはペーパーナプキンやノートなどにアップサイクルし、コーヒーを抽出したあとの豆かすは乳牛の餌や畑の堆肥として利用、その牛乳や野菜を店で使うという食品リサイクルループを実現している。
「牛乳パックは内側を洗って、乾かして、折りたたんで回収し、豆かすは水切りして密閉して回収するので、なかなか大変なんですが、店で働いているパートナーのみんなで意識をもって取り組んでいます。この、みんなでやるというのが重要。みんなが自分ごととして取り組むことで、サステナブルなサステナビリティになっていくんだと思っています」
また、スターバックスでは、店舗で使用する電力をCO2排出量ゼロの100%再生可能エネルギーへと切り替えを進めており、10月末には直接電力の契約が可能な350店舗で切り替えが完了する予定だ。さらに、電力の供給元の選定においても、「地域の電力を、地域の店舗で」循環できることを意識しているという。