缶ビールの家飲みで、マイクロブルワリーを救え!【コロナ...
LONDON ロンドン

缶ビールの家飲みで、マイクロブルワリーを救え!【コロナと闘う世界の都市から】

文:宮田華子

ペール・エール、IPA(インディアン・ペール・エール)を中心に、左から「ハマートン・ブルワリー」「ビッグスモーク・ブルワリー」「ブリック・ブルワリー」のクラフトビール。右から2列目上の缶(緑と赤をちりばめたグラフィック)は、ちょっと珍しいイチゴ&キュウリ味のサワービール。英国ではこれまで小売りのビールは瓶が主流だったが、最近は缶がトレンド。デザイン性の高いものが多い。 photograph by Hanako Miyata

パブは、多くのイギリス人にとって「第2の我が家」。だが2020年5月20日現在、すべてのパブは休業またはテイクアウトのみの営業に。市民も困っているが、本当に困っているのは、地元のパブへ卸していたマイクロブルワリー(ビールの小規模醸造所)だ。

実はロックダウンになって以来、ビールをはじめアルコール飲料へのニーズはうなぎ上りで、販売量も総体としては上昇中。スーパーマーケットへの卸しルートが確立されている大手メーカーはいいものの、販売網が限られている独立系の小規模醸造所は悲鳴を上げている。英国独立系醸造所協会(The Society of Independent Brewery、282社加盟)によると、82%の独立系醸造所の売上が落ち込み、65%が製造を一時中止しているという。

そこでなんとか活路を見出そうと、7割の独立系醸造所がコロナ渦以降に新規に通販やテイクアウトでの直売を開始した。バラエティに富んだ「詰め合わせパック」やミニ樽を販売したり、醸造所から数㎞圏内なら送料を無料にしたりと工夫を凝らしている。この動きに全国のビール好き・パブ好きが反応。「独立系醸造所を救おう」と応援の輪が広がっている。

我が家も、応援する3つの醸造所のビールを通販で購入。「少しでも貢献できたら」という気持ちに嘘はないが、飲む口実ができてしまったのも事実(笑)。でも、こんな時だからよしとしよう。


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