その個性はまさに百花繚乱。ウイスキー五大聖地の代表銘柄:スコッチウイスキー編
この記事では五大ウイスキーのひとつである、スコッチウイスキーの代表的な8つの蒸溜所を紹介する。
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マッカラン蒸留所
数多くの蒸溜所がひしめくスペイサイドエリアでも、屈指の実力を誇る名門。創業は1824年、最良のシェリー樽へのこだわりなど、“シングルモルトのロールスロイス”と呼ばれたその誇りは昨年稼働の新蒸溜所へと引き継がれている。
グレンモーレンジィ蒸留所
ハイランド地方で1843年に創業。ウイスキー造りでは珍しく、ターロギーの泉に湧く硬質の仕込み水を使う点や、スコットランドで最も背の高いポットスチルが生む華やかな味わいが特徴。さまざまな樽での熟成など、革新的な挑戦を続ける蒸溜所だ。
グレンキンチー蒸溜所
過去には数十カ所が稼働していたウイスキー蒸溜所も、現在では数カ所のみ。そんなローランド地方のエジンバラ近郊で1837年に創業。スコットランド最大級のポットスチルで、まろやかでスムースなローランドタイプのシングルモルトを生産する。
スプリングバンク蒸溜所
竹鶴政孝も実習に訪れたキャンベルタウン。古くはスコッチの一大生産地であったこの地で、現在も稼働する3蒸溜所のうちのひとつ。伝統の製法を頑なに守り、ブリニー(塩っぽい)と称される、このエリアならではのキャンベルタウンモルトを生む。
アードベッグ蒸溜所
その個性が「ピーティ」「スモーキー」と称されるアイラモルトの代表格。アイラ島の南岸に位置し、島では珍しい精溜器と呼ばれる装置が付いたポットスチルなどを使い、強烈なスモーキーフレーバーと繊細な芳香が調和したシングルモルトを生産。
スキャパ蒸溜所
オークニー諸島最大のメインランド島で1885年に創業。アイランズとしては珍しいノンピート麦芽の使用、スコットランドでも希少な円筒形のローモンドスチルでの蒸溜など、独自の製法でライトタイプのエレガントなウイスキーを造っている。
ボウモア蒸溜所
創業1779年とアイラ最古の歴史を誇る蒸溜所では、現在もフロアモルティングなどの伝統製法を踏襲する。海抜0mの地に立つ第1貯蔵庫は、現存する貯蔵庫としては世界最古。スイートで気品に満ちたその味わいは、アイラの女王とも称される。
ラフロイグ蒸溜所
ボウモア同様、麦芽にピートを焚き込むフロアモルティングを行い、専用のピート採掘場も所有する。薬品を思わせる香味が特徴で、アメリカの禁酒法時代には医薬品としても販売。その強烈な個性にいまも世界中の愛好家たちが魅了されている。
この記事は、2019年 Pen 10/15号「いま飲むべき一本を探して、ウイスキーをめぐる旅。」特集よりPen編集部が再編集した記事です。商品の価格は掲載時のものとなります。