私の愛する“ニッポンの美酒”、公開します。──ワイン編
ジャンルを超えて生み出される「ニッポンの美酒」が、日本各地で次々と生まれている。各界で活躍する著名人に、ジャパンメイドのお酒のなかから、家呑みを楽しくする愛飲の1本を教えてもらった。
年々進化が感じられる、エッセイストからのおいしい便り。
小山薫堂さんが推す「ヴィニュロンズ リザーブメルロー 2011」の醸造元は、長野県東御市の「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」。オーナーはエッセイストの玉村豊男さんだ。
「2003年のオープン当初、ボルドーのプリムール(先物購入)のようなかたちの会員を募っていて、玉村さんのファンだった私は『玉村さんのこれからの人生を特等席で見させてほしい』と参加。以来約10年間、毎年、このワインが届きました」
玉村さんから届くおいしい便り。そのクオリティが、年々上がっていくことに喜びを感じた。
「樹は齢を重ね、栽培や醸造の技術も向上したのでしょう。毎年、進化している印象を受けました」
その味わいを薫堂さんは「優しい」と表現する。「以前はのどに引っかかるクセのある国産のワインもありましたが、玉村さんのワインは最初からスッと身体に入っていく、キレイな味でした」ワインの品質以上に薫堂さんが感心しているのは、玉村さんが後進を育成していることだ。
「栽培や経営を学べる講座を主宰され、そこの卒業生が長野でよいワインをつくっている。これは、日本のワイン界にとって大きな功績です」
日本ワインの未来を見据えた玉村さんの“種まき”。その成長がワインの味を押し上げる。
●ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2011
ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー【長野県】
オーク木樽での醸し発酵の後、約1年半熟成。エレガントな果実味の中に香辛料のような香りが溶け込み、やわらかさと深みを併せもつ。750ml ¥5,280(税込)/ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー TEL:0268-63-7373